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改造車

6代目 FORD F-150に本気のチューニングを施したKen Blockのモンスターマシン

投稿日:

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東京オートサロンに出展されていたこの1台。

実際に目にするとあまりにバカげたチューニングが施されていたことに気付く。

 

一見するだけで大幅な仕様変更の形跡が見て取れる。

しかし、そのナチュラルな立ち姿からはベース車両であるF-150のノーマルシルエットがどんなものだったかは一切感じられない。

 

その見事なまでの仕上がりからか、このF-150はドレスアップ部門で優秀賞を得ていたが、実際ここまで手を入れられたF-150の走りは半端なモノではなかった。

 

 

圧巻のドリフトテクニック

 

まずはこのyoutube動画を見て欲しい。

 

サイドブレーキによる切っ掛け作りで一気にテールスライドに持ち込むのは、FRであるこのF-150であればそこまで目を見張る技術ではないが、注目したいのはそのコントロールの正確さだ。

 

縁石スレスレを通す技術もさることながら、段差を越えてもブレないハンドリングや、前後輪のミューの違うラインでも安定した走りを見せている。

 

チューニングありきでも、タイヤの性能の良さが際立っているわけでもない。

純粋にKen Block氏のドライビングテクニックによるものだ。

 

ルート66で卍を切っているのも、道幅一杯の切り返しが迫力満点の走りとなっている。

 

この走りを実現できているチューニング内容をチェックしてみよう。

 

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Ken Block FORD F-150 Hooni truck スペック

 

ベース車両

FORD F-150 Hooni truck 1977

 

エンジン

3.5L V6ツインターボ

最高出力:930ps

アルミブロック

garrettタービン

エキマニワンオフ

インテークラインワンオフ

 

外装

インテーク・タービン開放型ボンネット

大型オーバーフェンダー

アルミリアスポイラー

ワンオフキャリアスペース

パイプフレーム化

アルミ角フレームシャシー

ダブルウィッシュボーン化

電動ファン増設

サイド出しマフラー

FIFTEEN52 20inch TurboMac by Ken Block

TOYO TIRE PROXES ST3 315/35R20 110W

WILWOOD 6PISTONキャリパー

WILWOOD スリットローター

ST SUSPENSIONキット

ADEV シーケンシャル6速ミッション

SADEV クラッチ

SADEV ディファレンシャル

 

内装

デジタル制御メーター

momoステアリング カスタム

FORD SYNCナビゲーション

フルカーボンインパネ

RECAROフルバケットシート

HOONIGANパーキングブレーキレバー

パイプフレーム一体型ロールケージ

 

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Ken Block仕様F-150への考察

 

youtube動画での動きを見れば、それは既にF-150ではないことが一目瞭然だ。

愚鈍で実直で古めかしい1977年製のF-150。

良くも悪くもアメリカの片田舎が似合う旧車なのだが、このF-150は既にサニートラックショートバージョンに近い。

 

動画の冒頭から、スマートフォンによるリモートスターターが年式をワープさせる。

1977年製のF-150に現代の技術がフィードバックされている。

 

ドライバーズシートは快適性ではなく運転性能を追求しているのが明らかだ。

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しかも、足周りがスポーツカー然としていてストレスのないドライバビリティを実現している。

リジットサスペンションでは到底不可能なレベルでの安定感。

キャリアスペースは、キャリアスペースとしての用を足さない代わりに、本来ボディ下に隠れている部分を納められている。

リアシャシーがシート位置と同列に存在しているこのプロファイリングは、ロータスセブンやフェラーリFシリーズ、フォーミュラーカーと同等のプロファイリングだ。

サイドウォールをチョップしてホイールハウジングに化している時点で「トラックの定義」を無視している。

 

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しかし、それが何だというのだ。

楽しければそれで良いのだ。

このF-150はこれで良いのだ。

 

それにしてもよく動く足だとは思わないか?

ロード状況は決して良いとはいえない。

使い古されたアスファルトにオーク、砂埃もひどい。

この中で高速ドリフトで振りっぱなしているのにも関わらず、この撮影中はトラブルらしいものが一切見えない。

 

定常円旋回・8の字旋回・卍

 

これらの繰り返しについてくるだけのディファレンシャルの強度にも感心する。

これは、通常のボディ下側に位置するよりもキャリアスペースに設置位置を変更しているのが良いのだろう。

砂埃などの影響が緩和される。

更に、ボディ下がガラ空きになることで車高をギリギリまで下げられる。

若干ホットロッド気味だが、そのお陰で荷台下での定常円旋回が可能なのだ。

 

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ラストの廃車で作られたコースを振りっぱなしで滑走するというパフォーマンス。

ノーズ側はあえて余裕を作り、テール側をギリギリまで寄せていくのは派手なのだが、実はこの方がドライバーとしては余裕がある。

ノーズを寄せて滑走できるドライバーを私は知らない。

 

リアを低ミューで滑らせるのもかなり難しいテクニックだが、フロントが低ミューで滑走できれば最高のドリフターとして活躍できるだろう。

 

さて、この振りっぱなしでも姿勢は安定している。

かなりスピードが乗っているスライドでは、このアルミ製リアスポイラーが効いている。

リアタイヤを強制的に押し付けることでコントロール性をあげている。

これがGTウィングのような空間のあるリアスポイラーでは、トラックのボディ形状の特性上充分な応力を得られない。

チンスポだからこそなせる技だ。

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H型ではなくシーケンシャルを選択しているのも安定したドリフトに繋がっている。

前後のレバーONで確実なシフトチェンジが可能なので、操作ミスによる2段落ちがない。

シフトミスは、その一瞬でミッションケースの中身を破綻させる致命的ミスにつながる。

シーケンシャル式は、そこの不安を解消できる最良の選択だ。

 

トータル的にこのKen Block氏のF-150は、ドリフトを楽しむにあたり最良を超えた最良といえる仕上がりとなっている。

ピックアップトラックをスライドさせるには、確実に車高を落とすのが必然。

キャリアスペースを思い切って度外視しているのも参考になる。

 

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Ken Blockの遊び心 世に憚る

 

東京モーターショーには様々な可能性を秘めたイベントだ。

このKen Block氏のパフォーマンスもその1つだ。

 

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