海外からの圧力で解放された偏平タイヤ
昭和のクルマと現代のクルマで大きく異なるのがタイヤだ。なによりタイヤ側面の厚みがまったく違う。現在のような低偏平タイヤが装着できるようになったのは、じつは海外からの圧力によって運輸省(現・国土交通省)が許認可を出した歴史があった。
1970年代の前半まで、乗用車のタイヤの偏平率は82%が多かった。偏平率というのは、タイヤが路面に接地するトレッド部分の断面積に対する高さのこと。接地面に対するタイヤ側面の比率と言ったほうが分かりやすいかもしれない。
偏平率の数字が小さくなるのが低偏平(ロープロファイル)化といわれ、タイヤの接地幅が広がるとともに、サイドウォール(タイヤのゴム側面)が低く、薄くなるというもの。時代とともに低偏平化は進み、最近では35~40%というタイヤも珍しくなくなった。ファミリーカーやミニバンでも偏平率45%や50%という低偏平化が増えている。