死亡事故20%以上が70歳以上のドライバー
かつて「紅葉マーク」、「枯葉マーク」と呼ばれた高齢運転者標識。2011年にはシニアのSをモチーフとした4色のマークに変更された。登場以来、高齢者への義務化が求められてきたが、いまに至るまで装着の義務化は実現しておらず、道路交通法(道交法)では70歳以上のドライバーに対する努力目標にとどまっている。高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となりつつある昨今、「高齢運転者標識」の表示義務化はなぜ進まないのだろうか。
高齢ドライバーの運転による交通事故は目立っている。実際、警察庁の発表した交通事故統計を見ても、死亡事故における第一当事者(事故に関わった中で過失がもっとも大きな人)の3割以上が65歳以上の高齢者で、70歳以上では全体の22.9%となっている。全体として死亡事故自体は減っているが、高齢者の関わる死亡事故は増えているのだ。