今回取り上げる車両は、フォード・マスタングの専門店として20年以上の実積がある「ガレージK&M」が制作した、67年式のファストバック。
コンパクトなボディを持ったスポーツカーというのがマスタングの開発コンセプトとされているが、大きく隆起したリヤのクオーターパネルや、ピラー=柱と呼ぶには少々気が引けるほど太いCピラーなど、最近の車では絶対に敵わない迫力満点のグラマラスなボディは、マッスルカーならではの魅力と言ってもいいだろう。
一時代を築いた歴史的な名車
初代マスタングが登場したのは1964年、それまで当時の若者たちの人気を思うように獲得できていなかったフォードが、コンパクトでスポーティなボディを持ったスポーツカーとして開発したのがマスタングである。
価格を抑え、オートマミッションやビニールレザーシートなどあらゆるオプションを用意する「フルチョイスシステム」を導入し、基本価格を抑えると共に、オーダーメイド感覚で自分だけの1台が持てるとあって好評を博した。
その結果、マスタングは自動車史に残る大ヒット車種となり、マスタングに触発され、カマロやファイアーバードなど、マスタングと同様に、2ドアクーペやハードトップボディを持つモデルが続々と販売されることとなる。
これらの車種は通称ポニーカーと呼ばれているが、もともとは初代マスタングの俗称として使われていた愛称であり、メーカーの枠を飛び越え、同コンセプトを持つ車の総称として「ポニーカー」という愛称が使われていることを考えると、初代マスタングが、当時アメリカの自動車業界に与えた影響がどれほど大きなものだったのかは想像に難くない。
ポイントを抑えた、扱いやすさを考慮したカスタム
一見するとそれほど大掛かりなカスタムは施されていないように見えるが、ビレットグリルやデュアルマフラーを装着し、さらにスムージング加工を施すなど、見た目重視の外観で、マッスルカー系映画で人気のワイルドスピード風に仕上げられている。
内装に目をやると、これまた、半世紀も前に製造されたとは思えないほどの状態であることに驚かされる。
それもそのはず、どんなに大切に保管していたとしても半世紀もの時間の経過により、シート生地やインパネ回りの素材など当然劣化していて当たり前。
そこで、内装やシートは新たに張り替え(合皮)を行い、ボディのカラーリングに合わせ入れられた、赤のアクセントカラーが派手になり過ぎず、ポイントを押さえたおしゃれ感を演出している。
そしてV8エンジンが鎮座するエンジンルームには、熱対策のための大型ラジエーターや、エーデルブロック社製のダウンドラフトキャブレーターが目を引く。
アメ車のカスタムで定番となっているキャブレーターは、ホーリーかエーデルブロックのどちらかで、カスタム好きやアメ車専門ショップなどでは、「どちらが良いか」などと話題になることがある。
実際には好みと、いじる人の経験がある方を選べば無難だが、エーデルブロックの方が、ホーリーに比べトラブルが少ないと言われることが多い。
さらに言えば、60年代のアメ車と言えば、いわゆるノンパワードラムブレーキということがあり、現代の車に慣れてしまっている場合には、少々不安になる要素かもしれないが、しっかりとパワーディスクブレーキになっているとのことなので安心してもらいたい。
そんなところからも、この67年式マスタングが、適度なカスタムに抑え、扱いやすさを重視して作られていることが伺える。まさに、オールドフォードの入門用としては最適の一台と言えるだろう。
アメ車好きは一見の価値があるプロショップ
取材に協力してくれたガレージK&Mでは、まるで新車のように蘇らせることが可能なフルレストアから、ポイントを押さえたセミレストアまで、予算や要望に応じて対応してもらうことが可能。
そんな、ガレージK&Mはマスタング以外の車種でももちろん相談できる頼もしいプロショップ。いつかはオールドアメリカンに乗りたいと思っている読者は、一度訪れてみたはいかがだろうか?
問い合わせ
ガレージK&M
TEL : 047-398-3980
http://www.garagekm.com
TEXT:Shingo.M
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Source: 車 カスタムカー, 改造車 専門WEBマガジン | tuners(チューナーズ)
マッスルカーの入門用にオススメ!67年式マスタング【ガレージK&M】