膵炎(すいえん)は膵臓に炎症が起こる病気で、急性膵炎と慢性膵炎に分けられます。猫では稀な病気といわれていましたが、最近は多くの猫がこの病気になっていることがわかってきました。動物病院でも猫の膵炎に対する健康診断を勧めるポスターなども貼られるようになり、猫の膵炎が多いことがわかります。愛猫のために飼い主も膵炎について知っておく必要があるでしょう。
急性膵炎と慢性膵炎
膵臓はとても強力な消化酵素をつくり、それを十二指腸に送る働きを持っています。この消化酵素は通常は膵臓内では不活性で存在し、腸内に移動してから活性化し、消化の能力を発揮します。しかし、この動態に何らかの異常が見られ、酵素が膵臓内で活性化し、膵臓を傷つけて炎症を起こしてしまう病気が急性膵炎です。慢性膵炎は少しずつ膵臓に炎症が起こる病気ですが、急性膵炎から波及するものだと考えられています。