福岡地裁(足立勉裁判長)で、特定危険指定暴力団・工藤会が関与したとされる市民襲撃4事件で、殺人などの罪に問われた同会トップで総裁、野村悟被告(73)とナンバー2で会長、田上不美夫被告(63)の第21回公判が行われた。
検察側証人として出廷した上納金の集計担当だった元組員が、組織のために罪を犯した組員のために「貯金」をして名簿で管理していたと証言し、元漁協組合長射殺事件(1998年)の実行犯ら2人の名前もあったと明らかにした。
元組員は2007年末から4年間、組員から集めた上納金の集計を担当。上納金は毎月2千万円ほどで(1)野村被告宅の維持費(2)「貯金」(3)同会運営費-に分けた。
「貯金」は「総務委員長から渡された名簿に載っている組員のために毎月10~20万円を積み立てていた」と説明。名簿には組名、名前、積立額が書かれ、対象組員は「組織のために事件を起こして服役している人」とした。元漁協組合長射殺事件の実行犯と見届け役の2人は、20万円ずつ積み立てられていたという。