先日の記事で、コロナ禍で迎えられたペットは、飼い主が通常の生活サイクルに戻ると飼育放棄されてしまう可能性があり、それはクリスマス後の行動サイクルと似ているということを紹介しました。
欧米で毎年繰り返される、クリスマス後のペットの飼育放棄とはどういったものなのでしょうか。欧米ではクリスマスは宗教的に重要な行事であり、家族と過ごしたり、プレゼントを交換したり、盛大なお祭り期間でもあります。日本の年末年始のようなものと考えればイメージしやすいと思います。
この時期に、プレゼントとしてペットを迎える機会があるようですが、年が明けてクリスマス休暇が終わると保護団体への問合せが増え、飼育放棄されるペットが増加するという現象があります。その背景には、欧米特有の理由理由だったり、日本と同じような理由が見られます。
欧米の人々は、クリスマス休暇の間に何を思い、どういう考えからクリスマス後にペットを手放してしまういのでしょうか。イギリスの動物保護団体「Dog Trust」に興味深い記事がありました。
まず、その理由をご覧ください。
I won a free holiday and I couldn’t take my dogs with me.
(無料の旅行が当たったのに、犬を連れて行けなかった)
I’m a vegetarian but he always wanted to eat meat.
(自分は菜食主義者なのに、犬はいつも肉を欲しがった)
I got him as a secret Santa present.
(シークレットサンタからのプレゼントだった)
She was too friendly and wanted to greet every dog and human we met on a walk.
(人懐っこすぎで、散歩に行くと出会う犬や人に必ず挨拶にいく)
He was panting too much.
(舌を出してハァハァしすぎだった)
He didn’t like it when we played dress up.
(おめかしするのを嫌がった)
She sleeps in her own bed all night – I thought she would want to sleep in my bed.
(一緒に寝てくれなかった)
この理由をどう思いますか? いかにも人間の都合で、犬たちのことをまったく理解しようとしないことが伺えます。なかには、「人懐っこすぎ」や「一緒に寝てくれなかった」という微笑ましいものもありますが、どれも犬の習性を理解していないことから起こった不幸のように感じます。ペット先進国といわれる英国でもこの有様なのです。
この調査では、10人に1人がクリスマスプレゼントとして犬を買ったり、もらったりすることを認めていることも明らかになりました。しかし、飼い主たちのじつに70%は、犬たちの生涯費用を£10,000(当時のレートで150万円程度)未満であると考えていたようです。
動物愛護先進国でもある英国においても、クリスマス休暇が終わるとペットを手放したいと考える人から、Dog Trustに5分ごとに問い合わせがあり、3000件以上にものぼることもあるようです。そのような状況から生まれたスローガンが、“A dog is for life, not just for Christmas”(犬はクリスマスのときだけでなく、一生のパートナー)です。
日本でも、里親募集のサイトでは「ペット不可の部屋に引っ越したので」「急にアレルギーになってしまったので」などの理由で飼育放棄する人が後を絶ちません。これも、英国におけるクリスマス後のパターンと同じで、“安易に飼ってしまった”ことが原因だと思います。
現在のコロナ禍におけるペット需要も同じことにならないよう、飼う前には自分が飼い主として相応しいかを自問自答しましょう。いまペットを迎えられるタイミングかどうかは、「コロナ禍でペットを飼う前に考えるべきこと」でチェック項目を用意していますので、ぜひ確認してください。
つねに癒やしや幸せをもたらしてくれるペットたちは、一時の付き合いのおもちゃではありません。あなたが愛情を注ぎ続けることで、きっと素晴らしいパートナーでいてくれるはずです。
元の投稿: 犬や猫とハッピーに暮らすための情報と最新ペットニュース - ペトハピ [Pet×Happy]
日本は大丈夫か…欧米で危惧されているアフターコロナのペットたち