手ごろな価格でスポーツカーを手に入れることができた
初代フェアレディZは1969年に発売された。その造形を担当したのが松尾良彦だ。松尾は、その前にブルーバードのマイナーチェンジを任されていた。型式名では410と呼ばれた2代目で、外観はイタリアのピニンファリーナが担当したが、あいにく日本ではさっぱり人気が出なかった。
そこで松尾は4速フロアシフト、セパレートのリクライニングシート、タコメーター付の3眼メーターを採り入れ、さらにツインキャブレターの大馬力エンジンを搭載し、サスペンションを強化して、タイヤもよくしたスポーツ・セダン(SS)を追加した。次いで排気量を大きくしたスーパー・スポーツ・セダン(SSS)も作るという断行を行った。それは、造形の枠を超えた商品企画であった。結果は、大成功だった。