旧車人気のいまだからこそ真実を知ることが大切!
最近はいろいろなメディアで旧車が取り上げられているのを目にする。まことに喜ばしいことだが、取り上げ方が素敵過ぎて、今のクルマにはない魅力いっぱいのように思えてくるものも多い。乗ったこともなければ運転したことない人も多くて、旧車を運転することはどんな感じなのか、想像もつかないかもしれない。 はっきり言ってしまうと、いまのクルマとはまったく別モノ。この場合、いい意味での「別モノ」ではなく、その逆の大変ということだ。それが楽しいと思えれば旧車向きだし、ダメな人もいるだろう。もしかしたら、たまに乗るなら別世界ということで楽しいかもしれないが、所有というレベルで考えたら、ダメなほうが多いかもしれない。旧車を所有していても、クルマは40年ぐらいで考えられないほど快適な乗り物に進化したんだなぁ、と思ってしまうのだから仕方がないだろう。それではどんなところが違うのかを紹介しよう。
イグニッションを捻っても「エンジンがかからない」
今やボタンを押せば一発でエンジンがかかるのは当たり前。旧車はキーをひねるから面倒なのか? と思うなかれ。ひねってもかからないことは当たり前だ。調子や季節によるが、下手するとかかる気配すらない。また調子がよくても、最初にアクセルを何回かあおったり、かかりそうになったところでアクセルを踏み込んでやる必要がある。ツインキャブ、3連キャブなどになるとさらにコツがいるし、下手するとプラグがかぶってしまう。ちょっと前までのオートバイも同じ感じで、乗っている人ならわかるだろうか。また冬場はチョークを引くのは当たり前だ。 ちなみにかぶるというのは、ガソリンでプラグが湿ってしまって火花が飛ばなくなることでアクセルのあおり過ぎやチョークの使い過ぎが原因なだけに、塩梅はじつに難しい。
環境には良くないが「暖気は十分に行うべし」
暖気は不要というのがいまや常識だが、旧車は要・不要の議論以前に、暖気しないとガクガクして走らないので必然的にするしかない。またエンジン内部のクリアランスも広いので、しっかりと暖めて熱を入れ、規定の状態にしてやらないとクルマにもよくない。環境に悪いとはいえ暖気は必要だ。
パワステレスは当たり前で「ハンドルは激オモ」
1970年代は当たり前、1980年代でもパワステが付いていないクルマもけっこうあった。パワステなしのステアリングを回したことがある人はいまや少ないかもしれないが、とにかく重い。太いタイヤにしたり、空気圧が少なくて接地面が大きいだけでもさらに重くなる。どれだけ重いかというと、止まった状態では回せないほどで、当時から「少しでも動かしながら切れ!」とよく言われたものだ。 とくにFFのパワステなしは、なにかで固定してあるのかというほど重たかった。旧車のステアリングが妙に大きいのは、テコの原理を使って少しでも軽く回すためでもある。ちなみに今や御法度の内掛けも、ステアリングが重たかった時代の名残りだ。
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「理想」と「現実」の致命的すぎるギャップ! にわか「旧車」オーナーが突き当たる「7つの壁」