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【編集後記】水性由来の副産物がペットフードの未来に新たな可能性をもたらす!?

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一般的に、犬や猫にはエビやカニなどの甲殻類、イカやタコなどの軟体類は避けるべきだといわれています。

これらの水性由来タンパク源に含まれるチアミナーゼという酵素は、ビタミンB1(チアミン)を分解し、チアミン欠乏を引き起こす可能性があります。チアミン不足は神経系の障害や筋肉の弱化を招くことがあるので、特に生の状態では与えてはいけません。

また、甲殻類の外骨格(殻)は消化しにくく、腸に詰まる原因になることがあります。さらに、一部の犬や猫はこれらの食品に対してアレルギー反応を示すことがあり、皮膚のかゆみや消化不良などの症状が出ることもあります。

ポルト大学とホーエンハイム大学の研究者が、ドッグフードの原料としてのエビとイカの副産物の特性を調べ、それらを使用した実験を行いました。

この実験には12頭のビーグルが参加しました。彼らは、従来のフードの代わりに、イカミールまたはエビ加水分解物(エビペプチド)を3段階(1kgあたり50・100・150g)に配合された食事を与えられました。

研究者らは、見かけ消化吸収率(ATTD)、代謝エネルギー含有量、糞便特性、代謝物、細菌叢叢を測定しました。

両方の水性由来タンパク源は、ドッグフードの配合に一般的に使用されている成分よりもタンパク質とメチオニンの含有量が高く、さらにエビ加水分解物はイカミールよりも高い抗酸化活性を示しました。

イカミールやエビ加水分解物は初見や嗜好性には影響しませんでしたが、犬たちは従来の食事を好む傾向が見られようです。結果的に、栄養摂取量、排泄物の量や特性は、配合量を増やしても影響はありませんでした。

また、従来のドライフードと比較して、ほとんどの栄養素およびエネルギーのATTDが高いことを示しました。なお、エビ加水分解物飼料は細菌叢に影響を与えましたたが、イカミールは影響はなかったようです。

全体として、これらの副産物は、ドッグフードの新規かつ有望なタンパク質源であることが示唆されました。イカミールまたはエビ加水分解物は、消化の高いフードに配合できる可能性があります。今後はフードメーカーなどがさらなる研究を進めるでしょう。

水性由来の副産物は、ペットフードに栄養価の高い代替タンパク源を提供するだけでなく、廃棄物による環境問題の緩和にも役立つ可能性があります。

これらの副産物を利用することで、人間用には使われない部位や経済的価値の低い部分を有効活用し、海洋資源の保護につながるとともに、既存の収穫物をより経済的に活用できることにもなります。

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