ダブル“役モノ”要素のポルシェ959
RMサザビーズ北米本社が2025年2月27-28日にフロリダ州マイアミ近郊の町、コーラルゲーブルズにある歴史的なビルトモア・ホテルを会場として開催した「MIAMI 2025」オークション。落札が高額になることを予感させる要素をもつポルシェ「959シュポルト」に注目しました。今回は、そのモデル概要とオークション結果についてお伝えします。
伝説のポルシェ959でとくに特別な“シュポルト”仕様とは?
1980年代後半、フェラーリが「F40」とともに古典的なスーパースポーツの方法論から当時最先端の性能数値を達成したのに対して、ポルシェは「959」を擁してまったく逆の方向に舵を切った。
1980年代中盤における自動車テクノロジーの可能性を世界に示した959は、そのキャビン形状からひと目で911の関連モデルとわかるが、同時に911以上のものを提供した。調整可能なサスペンションやインテリジェントなトルクスプリット4輪駆動システム、タイヤ空気圧センサー、超軽量中空スポークマグネシウムホイールなど、自動車技術における「ゲームチェンジャー」以外のなにものでもなかった。
1983年にコンセプトカー「911グルッペB」としてショーデビューののち、1986年から生産モデルとして正式リリースされた959は、30万ドルを超える価格設定にもかかわらず、研究・開発、そして生産コストに膨大な費用がかかったため、ポルシェは1台売れるごとに損失を出したといわれている。
結果として、マラネッロの競合モデルよりもはるかに希少となった959は、1986年から1988年にかけてわずか292台しか製造されなかった。そのほとんどが「コンフォート(Komfort)」仕様で、「シュポルト(Sport)」仕様で生産されたのは、ここで紹介するモデルを含めて29台のみであった。
959コンフォートより約100kgも軽量
スパルタンさを前面に押し出した959シュポルトは、このあとの世代のポルシェでいうなら「クラブスポーツ」に相当するハードコア仕様。4点式レーシングハーネスとファブリック張りのスポーツシート、革巻きフルロールケージが特徴。
959コンフォートのアダプティブサスペンションは、軽量化および機械的な複雑さを解消するため、よりオーソドックスなコイルオーバー式セットアップに変更された。くわえて、エアコンディショナーやオーディオシステムも取り外されたことにより、959シュポルトは959コンフォートより220ポンド(約100kg)も軽くなったとのことである。
959シュポルトはすべて同一スペックで製作され、オーダー主に選択肢として許されていたのは「グランプリ・ホワイト」あるいは「ガーズ・レッド」のボディカラーのどちらかを選ぶことだけだった……、といわれている。
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生産台数は29台の希少なポルシェ「959シュポルト」の相場は約7億8300万円から!