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イギリスでは義務化も検討 犬の咬傷事故を防ぐために求められる飼い主の責任

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近年、イギリスでは犬による咬傷事故が深刻な社会問題となっています。犬による10件の死亡事故が報告されており、過去10年間で最多の件数となっています。これを受けて、犬を新たに迎える飼い主に対して「しつけや行動管理の講習を義務化すべきだ」といった声が高まりました。

ペットとの共生が社会に深く根づいている国だからこそ、問題が起きたときの反応もまた迅速で、具体的な対策が議論されています。

イギリスでは「犬が咬むのは“危険な犬種”だから」ではなく、「どんな犬種でも、管理次第で咬む可能性がある」という認識が広まりつつあります。

特定の禁止犬種が注目されがちですが、英リバプール大学の研究では「人気のある一般的な犬種でも、咬傷事故の発生率に大差はない」と報告されています。むしろ、「“うちの犬は優しいから大丈夫”という油断こそが最大のリスク」であるという考え方が浸透しているのです。

また、イギリスの研究者たちは「飼い主の教育が咬傷事故防止のカギを握る」と繰り返し警鐘を鳴らしています。たとえば、散歩中にほかの犬や人に対して急に攻撃的になるケースは、犬の性格だけでなく、飼い主の対応スキルにも大きく左右されます。

こうした背景から、飼い主に対する教育プログラムの整備や、犬を迎える前に「責任ある飼い主としての心得」を学ぶ機会を設けることが検討されています。

では、日本はどうでしょうか。ペットブームの影響で、国内の犬の飼育数は安定的に推移していますが、それに伴って犬による咬傷事故の件数も増加傾向にあります。

環境省の統計によると、2023年度には全国で約5,400件の咬傷事故が報告されています。事故の加害犬には大型犬だけでなく、小型犬も少なくありません。つまり「体が小さいから危険ではない」という思い込みは、すでに現実に反しているのです。

こうした現状にもかかわらず、日本では「自分の犬に限ってそんなことは起こらない」と考える飼い主が少なくありません。特に「小型犬だから制御できる」「うちの子はフレンドリーだから」という慢心が、事故の温床になっています。

実際、2024年に群馬県伊勢崎市で起きた事故では、大型犬が逃げ出し公園内で12人もの人が咬まれました。飼い主は「塀も高くて絶対に逃げ出せない」「なつっこい犬なので人を咬むことはありえない」と語っていましたが、現実はその“思い込み”とは裏腹のものでした。

さらに、こうした「自分の犬は大丈夫」という意識は、事故に至らないまでも、近隣トラブルや社会的ストレスの原因になっています。​たとえば、散歩中やドッグランなどでほかの人や犬に向かって吠え続ける犬に対し、まったく対処しなかったり、「うちの子はそういう性格なんです」と開き直る飼い主も少なくありません。​

文春オンラインでは、女性が飼い犬に顔を咬まれて大けがを負った記事を取り上げています。しかし、飼い主は「うちの犬は人懐っこいから大丈夫」「たまたまびっくりしただけ」と、自らの責任を認めようとせず、リードの対策も取らないまま犬を散歩させ続けていたといいます。

このような態度は、被害者にとっては「事故以上の苦しみ」となります。顔に傷が残っただけでなく、加害者であるはずの飼い主が反省の色も見せず、謝罪すらない。――まさに“二次被害”といえる事態です。

たとえ咬まれても大したケガにはならないと思う方もいるかもしれません。しかし、犬の歯は鋭く、興奮状態にある犬に咬まれると、小型犬であっても深い傷を負うことがあります。

また、人間に対してだけでなく、犬同士のトラブルも多く、散歩中にケンカになり、どちらかが大けがをするというケースも少なくありません。こうした問題の根底には、「犬は家族の一員」として愛される一方で、その行動特性や社会的責任について十分に理解されていない現実があるのです。

このような背景を踏まえ、日本でも本格的な飼い主教育やしつけの啓発が求められています。犬を飼う前に「犬の行動学」や「社会化の重要性」「リードの正しい使い方」など、基本的な知識と実践方法を学ぶ機会を制度として整える必要があります。

そして、既存の飼い主に対しても、事故を未然に防ぐためのしつけ教室や行動改善プログラムの受講を促すことが、今後ますます重要になってくるでしょう。

たとえば、イギリスでは以下のことが検討されています。

・新しく犬を迎える際に基礎講習を義務づける
・事故が発生した場合は、再発防止のための専門プログラムの受講を義務化する
・犬の登録時に「講習済み証明書」の提出を求める ※一部地域

こうした制度が日本でも取り入れられるべき時期に来ているのではないでしょうか。これらのしくみは、「飼い主に責任を押しつける」ものではなく、「犬と人がより安全に暮らすための共通ルール」を整えることを目的としています。

何よりもまず大切なのは、私たち一人ひとりが「自分の犬は大丈夫」という思い込みを捨て、つねに最悪の事態を想定して行動する意識を持つことです。犬は本来、人を喜ばせようとする優しい動物です。しかし、それは「正しく理解され、正しく導かれたとき」に限ります。つまり、人間側の知識と準備が不可欠なのです。

愛犬を守るために、そして他者とのトラブルを未然に防ぐために、私たち飼い主ができることは数多くあります。今日からできる行動としては以下のようなものがあります。

・リードをつねに短めに持ち、他者と距離をとる
・犬が苦手な人にも配慮し、すれ違う際は犬を自分の側に寄せる
・「うちの子は大丈夫」ではなく、「万が一」を常に考えて行動する
・プロのドッグトレーナーによるレッスンを定期的に受ける

犬との暮らしは、私たちに多くの喜びや癒しをもたらしてくれます。だからこそ、犬と人が安心して共に暮らせる社会を築くには、飼い主一人ひとりの意識と行動が問われています。

「うちの子は大丈夫」という思い込みこそが、ときに大きなリスクを生むこともあります。犬を愛するという気持ちと、社会のルールを守るという責任感。これは、決して矛盾するものではありません。

犬を大切に思うからこそ、飼い主としての姿勢や人間性が、今まさに問われているのです。

元の投稿: 犬や猫とハッピーに暮らすための情報と最新ペットニュース - ペトハピ [Pet×Happy]
イギリスでは義務化も検討 犬の咬傷事故を防ぐために求められる飼い主の責任

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