50台限定のLP400S シリーズI! 奇跡が重なる未改修の欧州仕様が打ち立てた破格の評価
スーパーカーという概念そのものを決定付けた伝説の名車ランボルギーニ「カウンタック」。その中でも、コレクターが喉から手が出るほど欲しがる超希少モデル「1979年式 LP400 S シリーズI(シャシーNo. 1121086)」が、2026年8月のRMサザビーズ「The Monterey Auction」に出品された。詳細を解説する。
生産から50年弱、走行わずか1803kmで新車時タイヤまで残る奇跡のカウンタックLP400 S
今回の個体がどれほどコレクターにとってはミラクルかという理由は、その絶望的なまでの「オリジナル度」と「低走行距離」にある。メーターに刻まれた走行距離はわずか1803km(約1121マイル)だ。
驚くべきことに、工場出荷時のオリジナル塗装(ロッソ)やネロ(ブラック)のレザーインテリアはもちろん、なんと新車時に装着されていた当時の「ピレリ P7(1970年代のハイパワー車向け超扁平ロープロファイルタイヤ)」タイヤまでそのままの状態で温存されている。まさに「動くタイムカプセル」と呼ぶにふさわしいコンディションだ。

1979年にローマのディーラー「SEA Auto」へ出荷された後、アメリカのアメリテック(Ameritech)社経由で米国へ渡った本車だが、ボディ金属部に手を加えない最小限の改修にとどめられたため、米国仕様の大型バンパーは追加されず、流麗でクリーンな欧州スタイルのスリムなバンパーシルエットが奇跡的に保たれている。ミシガン州のコレクターの手で約20年間大切に保管された後、走行わずか1000km強でカナダのコレクターへ渡り、これまで一度も公の場やオークションに姿を現さなかった「隠された秘宝」である。
わずか50台のシリーズ I 特有となる45mmウェーバーキャブとブラボーホイール
1971年のジュネーブ・モーターショーで衝撃的なデビューを果たしたカウンタックは、1974年に市販型の「LP400」へと発展した。そして1978年、オーバーフェンダーとワイドタイヤ、そして低く構えたサスペンションを与えられて大幅な進化を遂げたのが「LP400 S(LP400にオーバーフェンダーやワイドタイヤを装着した発展モデル)」だ。

LP400 Sは3つのシリーズに分けて累計238台が生産されたが、今回出品された初期型の「シリーズI(Series I)」は、わずか50台しか製造されていない超プレミアムモデルである。
メカニカル面でもシリーズI特有のディテールがズラリと並ぶ。LP400と同様の45mm径のウェーバー製ツインキャブレター(ガソリンと空気を混ぜてエンジンに送り込む機械式燃料供給装置)、スモールタイプのStewart-Warner製メーターパネル、そしてなめらかな造形が美しいカンパニョーロ製「ブラボー(特徴的な円形ホールデザインを持つ鍛造ホイールの通称。もしくは黒電話の回転式ダイヤルにその形状が似ているため「テレフォンダイヤル」とも呼ばれる)」ホイールを完備している。
ちなみにシリーズⅠのホイールのみ、非常に手の掛かる「サンドキャスト(砂型鋳造)」製法が採用されている。シリーズⅠ以外のホイール(金型鋳造)に比べて彫りが深く立体的で、見た目の迫力も抜群だとコレクターの間でも人気が高い。

新車価格2400万円から約15倍へ高騰! エスティメートに収まる約3億7920万円の落札結果
1978年11月当時の日本での新車価格は2400万円と、当時でも家が買えるほどの超高額車だったが、それからおよそ半世紀。状態の良い初期型カウンタックは世界的コレクターズカーとして認知され、3億円を超える価格で取引される時代の寵児となった。
2026年8月に開催されたRMサザビーズ「The Monterey Auction(Lot 361)」に先立ち設定された予想落札価格であるエスティメートは、220万〜260万ドル(日本円で約3億5200万〜4億1600万円)であった。

最終的な手槌が打たれた落札額は237万ドル、現在の為替レートで約3億7920万円となった。1978年当時の日本での販売価格(2400万円)から実に約15倍という破格のプライスである。エスティメートの範囲内に美しく収まったこの結果は、初期型LP400 Sの最高峰として、歴史にその名を刻むオークション結果となった。
それもそのはず、LP400 SとなってシリーズⅠとシリーズⅡまでのオーバーフェンダーは追加されたもののサイドシル(ドア下側)がボディ中心方面に絞り込まれ、丸みを帯びた形状を残したままの「ローボディ」を持つ個体は、コレクターの間では異常とも言える高値がついている。
しかし、シリーズⅡ以降は排ガス規制や騒音規制が厳しきなったためウェーバーの口径も40mmに絞られ、出力もシリーズⅠの375馬力に対して350馬力ほどにダウン。さらにシリーズ1のみの人気のマグネシウム製のサンドキャスト製法の希少ホイールに、1803kmしか刻まれていない走行距離に相応しい新車時に装着されたピレリP7がそのままとあれば、この高額落札も十二分に納得できる。
※為替レートは1ドル=160円(2026年8月29日時点)で換算
◆注目ポイント
- 累計238台生産されたLP400 Sの中でも、わずか50台しか製造されていない初期型「シリーズI」
- 走行1803km、工場出荷時塗装ロッソ、新車時装着のピレリP7タイヤまでそのまま残る動くタイムカプセル
- 1978年当時新車価格2400万円から約15倍となる237万ドル(約3億7920万円)にて競り落とされた市場評価
◆スペック・オークション情報一覧
- 車両名称:1979年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 S シリーズI(シャシーNo. 1121086)
- 出品オークション:RMサザビーズ「The Monterey Auction 2026」(2026年8月開催 / Lot 361)
- エスティメート:220万〜260万ドル(約3億5200万〜4億1600万円 ※1ドル=160円換算)
- 落札価格:237万ドル(約3億7920万円 ※1ドル=160円換算)
- 当時新車価格:2400万円(1978年11月資料:邦貨)
- 生産台数:LP400 S全体で238台(うちシリーズIはわずか50台のみ)
- 走行距離:1803km(約1121マイル)
- エンジン:4.0L V型12気筒 DOHC 375馬力(45mm ウェーバー 2口キャブレター × 6個)
- ボディカラー:Rosso(レッド / 工場出荷時オリジナル塗装)
- インテリア:Nero(ブラックレザー / 工場出荷時オリジナル内装)
- 足回り・ホイール:カンパニョーロ製「ブラボー」ホイール / 新車当時装着ピレリ P7タイヤ温存
- メーター類:スモール Stewart-Warner製メーター
- バンパー仕様:欧州仕様スリムバンパー(US大型追加バンパー未装着)
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走行1803キロで新車時タイヤ残るカウンタックLP400S。約3億7920万円
