憧れ続けた日本のVIP魂を
異国の地、アリゾナで継承する
日本のVIPにあこがれを持つアメリカのオーナーたち。シーンを牽引するのは、スポーティ&ラグジュアリーなレクサスが中心。そんなジャパン愛で出来上がった、US VIPなオーナーの世界を紹介しよう。
【2010y LEXUS LS460】
日本のVIP文化をアメリカに発信する「共栄USA」が、現在のアナハイムへと移転する前。アリゾナ時代からの常連がこのLEXUS LS460のオーナーだ。日本のVIP文化に憧れ、若くしてLS460を入手。尊敬する日本のVIPを目指して、これまでコツコツと仕上げてきた。
4年前にノーマルのホワイトボディを入手し、フルエアロと足まわりを組んだシンプルスタイルからスタート。それからというもの、毎年SEMAショーに参加するためリメイクを重ねてきた。
まず、2014年には外装をマットピンクへと大きく変貌。その翌年にはフロントとリアを後期仕様にスワップし、ボディはマットグレーに変更。そして、2016年のSEMAショーでは、今回紹介するブルー/パープル/カッパーの3色が織りなすマジョーラボディを披露した。
このカラーチェンジに関して、価値観は日本と大きく異なる。というのも、アメリカではラッピングが主流だということ。手間や予算がかかるペイントよりも、傷がついたら剥がして貼りなおすという合理的な発想がアメリカだ。
ちなみに、ホイールはアメリカでも絶大な人気を誇るのが「ワーク」。JDM好きのワーク装着率は圧倒的に高い。
エンジンルームに描かれた修羅のデザインは、日本の刺青文化に対する憧れを表現したもの。
「自分のタトゥーを他人に見せたがるアメリカンスタイルと異なり、日本のスタイルは見えないところに彫る。そんな奥ゆかしさが好きです」という理由で、あえて普段は見えない部分=ボンネットの下に描かれる。
憧れの日本文化と彼自身のオリジナリティ。その融合であるこのUSスタイルVIPセダンが、今も広大なアリゾナの空の下を悠然と走り抜けている。