暴力団関連事件の捜査に協力した男性が、暴力団の報復を避けるため東京家裁に戸籍上の氏と名の変更を申し立てたところ、両方の変更を認められたことが明らかになった。
専門家によると、氏と名の両方の変更が認められるケースは異例という。男性は「自分と同じような不安を他の人が抱えないよう、捜査協力者の氏名変更を容易にすべきだ」と訴える。
男性や代理人弁護士によると、男性は過去に暴力団に関係するグループに長期間所属していた。ある事件で捜査当局は男性に協力させ、グループのトップの逮捕にこぎ着けた。捜査の過程で男性も逮捕され、有罪判決を受けた。
男性は現在も警察による24時間警護の対象だが、報復を恐れて仮名で生活してきた。しかし、住居や携帯電話の契約など日常のほとんどの場面で身分証明書の提示を求められ、「証明書に記された本名が何かのきっかけでグループの知り合いに伝わり、居場所がばれてしまいかねない」と不安を感じてきたという。