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【DSP最新事情】位相特性を補正する新次元プロセッサーETANIONEがスゴい!

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サウンドアップの定番ユニット DSP最新事情!! DSP latest situation! no3

2015年のCESで初お披露目された音響測定機器メーカー、エタニ電機のデジタルプロセッサー。

2016年あたりからカーオーディオ・イベントにも出没していたが、ついに2017年7月、「ETANI ONE」として発売が決定した!


まずは下のグラフを見てもらいたい。

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これは、ホーム用の密閉型2ウェイスピーカーを測定したもの。

上のラインが振幅(周波数)特性、下のラインは位相特性を表すものだ。

位相のラインが2kHzあたりで持ち上がったり、20~30Hzあたりで凹んでいるのは、位相が回転していることを表している。

位相は周波数によって動いているのだ。それでも聴感上はけっして悪い音ではないのだが、エタ二電機が注目しているのはこの位相。

パッシブ・クロスオーバーネットワークやIIRフィルタでは位相の回転が起こり、波面が乱れてしまう。

カーオーディオで、デジタルプロセッサーのタイムアライメントに実測値を入れても、なんだかサブウーファーがぴったり合わないと感じることもあると思うが、それはこの位相のズレが原因といってもいい。

仮に100HHzで位相が90度ズレたとしたら、タイムアライメントは2.5m sec、距離にして0.85㎜ずれてしまう。

しかも周波数ごとにずれが変わるから厄介なのだ。

エタ二電機では位相を測定するため、以前からCAT‐1という測定器を提供しているが、その測定値を元に位相を補正する技術がWaveEQ(ウェーブ・イーキュー:波形等価)という技術。

これが今回のデジタルプロセッサー「ETANI ONE」のキモとなる技術だ。

タイムアライメントを使って、リスニングポジションからそれぞれのスピーカーまでの距離差を補正して、音が聴こえるタイミングをそろえたとしても、周波数によって位相がズレてしまう問題は解消しないため、どうしても波面の乱れは起きてしまう。

その問題を根本的に解決するのがWaveEQ。その機能を同機には搭載しているのだ。

そのため同機にはタイムアライメントという概念がない。

機能そのものがないわけではないが、従来の使い方ではなく、定位をコントロールするのが目的で、WaveEQで位相を整えるとボーカルは目の前に定位するが、それよりもう少しダッシュボードの真ん中寄りに定位させたいなどという時にタイムアライメントを使って定位をコントロールするわけだ。

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エタ二電機の社長、日野サンを中心に開発陣が勢揃い。基板からソフトウェア、音決めなど役割分担しつつ総勢で製品を開発。

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位相を補正することで、音場空間はより立体的に!!ETANI ONEがスゴい!

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上が実際の測定値とそれに対する補正フィルタの特性。

上のほうのブルーのラインが振幅特性の測定値でピンクがターゲットカーブ、グリーンが補正値だ。

下は位相特性。これは補正していないのでフィルタリング後も変化はない。


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こちらは位相特性だけを補正した時のグラフ。

上の下側のブルーのラインが位相特性の測定値。

これに対してグリーンの補正フィルタを与えて補正すると下のグラフのように位相特性が一直線に整う。

ただし振幅特性は補正していないので乱れたまま。


位相について、もう少し見ていこう。①のグラフは振幅のみを補正するフィルタ特性を表すもので上段の青いラインが実際の測定値。

それに対してグリーンのラインの補正フィルターを与えることで、下段のグラフのようにフラットな特性が得られるというわけだ。

ただし、振幅のみを補正しているため位相(下のライン)は変わらない。

右下がりのラインで途中が上下(位相の回転)している。

従来のデジタルプロセッサーは、この状態だ。

一方、②のグラフは位相のみを補正するフィルタ特性を表したもの。

下側の青いラインが実際の位相の測定値、緑色のラインがそれに対する補正値を表している。

その結果、矢印の下を見ると、位相特性はまっすぐ一直線に整っている。

ところがグラフの上のほうにある振幅特性は補正していないので、振幅特性は乱れたままだ。

そして振幅と位相の両方を補正したのが下のグラフ。

乱れた振幅も位相も、フィルタを加えることによって、ほぼフラットに補正できる。

この特性がETANI ONEなら実現できるわけだ。

しかも同機本体にあるマイク端子に測定マイクを接続して測定することで、手軽に補正ができる。

特に位相などは聴感で調整することなど困難で、それを自動でできるのはありがたい。

このあたりりが長年、プロ用の測定器やアプリケーションのメーカーとして活躍してきた所以か。

もちろんイコライザーのターゲットカーブは自在に設定できるし、微調整も可能だ。


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振幅特性と位相特性の両方を補正すると下のグラフのように位相も振幅特性もフラットに整えることができるというわけ。

ETANI ONEなら、このような美しい補正が、実測値をもとに手軽にできるが魅力的だ。

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その位相が整った音を、試聴室とクルマで体験してみた。

試聴室ではスピーカーの素の状態と補正した状態の聴き比べ。

高級スピーカーだから素の状態でも悪くないのだが、位相補正を与えると音像の輪郭がはっきりするし、空間が立体的に感じる。

低音のエネルギーと解像度も増した感じだ。クルマではサブウーファーの存在感を感じないのにびっくり。

クルマではこれまでに聴いたことのない音がしていた。

本体の最終形はまだないが、いま最終仕上げの段階に入っているという。

価格は88万円(税別)の予定。デモカーではアンプを内蔵していたが、製品はハイレゾプレーヤーを持つDSPになる予定で、192kHz/32bitのハイレゾ再生ができる。

こんな大物は過去あっただろうか?これは期待して待つしかない!

ETANI ONEの主なスペック

●システム構成:最大2ch ステレオ4ウェイマルチアンプドライブ

●アナログ入力:ピンジャックステレオ2ch/ハイレベル入力2ch × 2

● A/D 変換:192kHz/24bit

●デジタル入力:同軸(44.1kHz ~ 192kHz)/光(44.1kHz ~ 96kHz)

●マイク入力:エタニ製測定用マイクロホン用×2

●アナログ出力:ピンジャック× 8(4ウェイマルチアンプシステム用)

+ステレオ再生信号のスルー出力× 2(再生信号のモニター用)

● USB ポート:3

● WIFI ポート:1

● LAN ポート:汎用(保守用)

●内部演算:32bit 浮動小数点

●再生周波数範囲:10Hz ~ 88Hz

●販売希望価格:88 万円(税別)

クルマでもチェック!

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試聴したデモカーはリンカーン。OTOTEN では新デモカーをお披露目する予定だったが音決めが間に合わず、このクルマでデモしていたので試聴した方もいるだろう。

スピーカーはカロッツェリアRSのミッドレンジ+ウーファー+サブウーファーにwavecorのトゥイーターを組み合わせた4ウェイ構成。

フラットな特性をターゲットに整えた音は存在を感じず、レンジが伸びた低域と音場の広さ、定位の明確さに驚いた。

 

芸文社 / カーオーディオマガジンvol.116

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元の投稿: 車 カスタムカー, 改造車 専門WEBマガジン | tuners(チューナーズ)
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