新しい年の始まりは、多くの人が健康に関する目標を立てる季節でもあります。しかし、その目標の多くが「体重を減らす」という一点に集約され、過度な食事制限や慣れない激しい運動に挑んでは、結果として長続きせずに終わってしまう……そんな経験を持つ人も少なくないでしょう。

近年、欧米を中心とした健康科学や運動生理学の分野では、こうした「体重減少への依存」そのものを見直す動きが加速しています。注目されているのは、体重という単一の数値ではなく、身体機能の維持やメンタルヘルス、生活の質(QOL)を総合的に高めるという考え方です。
この新しい健康アプローチは、じつはペットと暮らす私たちにとって、非常に親和性が高いものでもあります。なぜなら、推奨される多くの健康習慣は、愛犬や愛猫との日常生活に自然に組み込むことができるからです。そして、何より、飼い主自身が心身ともに健康で長く元気でいることは、ペットの生涯を守るための「飼い主としての責任」そのものでもあります。
たとえば、近年注目されているのが、植物性食品の摂取比率を無理のない範囲で高めるという考え方です。これは、肉食を否定したり、完全なベジタリアンを目指したりするものではありません。日々の食事に果物や野菜、全粒穀物、豆類などを少し加えるだけでも、心血管疾患のリスク低減や、免疫機能と深く関わる腸内環境の改善が期待できるとされています。
この視点は、愛犬や愛猫との「食の関係」にも応用できます。犬や猫は人間とは異なる栄養要求を持つため配慮は欠かせませんが、キャベツやブロッコリー、ニンジン、リンゴ(種を除く)などは、適切な量と形状であれば、多くの犬、そして一部の猫にとっても安全なおやつになり得ます。これらに含まれる食物繊維が腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の多様性維持に寄与する可能性は、獣医学の分野でも注目されています。
自分のサラダをつくる際、味付け前の野菜を少し取り分けてお裾分けする。その小さな習慣が、飼い主自身の食生活を整え、市販のおやつに頼りすぎない選択肢にもなります。ただし、タマネギやブドウなど、動物にとって中毒性のある食材が存在する点には、十分な注意が必要です。
運動についても同様です。重要なのは、「痩せるために運動する」という発想から、「健康指標を整えるために体を動かす」という視点へ切り替えることです。複数の研究や専門団体の報告では、犬の飼い主は、そうでない人に比べて日常的な身体活動量を確保できている割合が高いことが示されています。
義務感で通うジムは続かなくても、愛犬がリードを前に目を輝かせる姿を見れば、自然と外へ足が向く。毎日の散歩は、単なる排泄のための行為ではなく、血糖値の安定や動脈硬化予防にもつながる、確かな健康習慣です。
完全室内飼育の猫の場合でも、飼い主が意識的に遊びの時間をつくることは、猫の運動不足やストレス軽減につながるだけでなく、飼い主自身の「座りっぱなし」の時間を減らす効果があります。デスクワークの合間に数分でも本気で猫と遊ぶことは、心身のリフレッシュという意味でも非常に合理的です。
ストレス管理の面でも、ペットの存在は強力です。慢性的なストレスがコルチゾールの過剰分泌を招き、免疫低下や血圧上昇、心疾患リスクと関係することはよく知られています。一方で、飼い主と犬が見つめ合い、穏やかに触れ合うことで、双方の体内で「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの分泌が高まることも、多くの研究で確認されています。
忙しい日常でスマートフォンを置き、ただペットを撫で、その呼吸や体温を感じる時間を持つこと。それは感情的な癒やしにとどまらず、医学的にも意味のあるストレスケアといえるでしょう。
睡眠についても、ペットとの暮らしは示唆に富んでいます。一般に推奨される7〜9時間の睡眠は健康維持に不可欠ですが、ペットと同じ空間で眠ることについては意見が分かれます。重要なのは、同じベッドで眠るかどうかではなく、人と動物が共に健全な概日リズム(体内時計)を保てているかという点です。
朝、決まった時間にペットに起こされ、カーテンを開けて朝日を浴びる生活は、飼い主の体内時計を整え、夜の自然な眠気を導く助けになります。夜更かしを控え、ペットが眠そうに寄り添ってきたら照明を落とす。そうした生活の調整は、現代人に多い「ソーシャルジェットラグ」の軽減にもつながるでしょう。
さらに、アルコールとの付き合い方も見直す余地があります。過剰な飲酒が肝疾患や睡眠障害のリスクを高めることは広く知られていますが、ペットオーナーの視点で見れば、もうひとつ重要な意味があります。
シラフでペットと向き合う時間が増えることで、被毛の変化や皮膚の異常、歩き方の違和感、口臭といった病気の初期サインに気づきやすくなるのです。歯磨きやブラッシングといった日常ケアも、より丁寧に行えるようになります。お酒を楽しむ時間そのものを否定する必要はありませんが、グラスを置いたその手でブラシを握る選択が、ペットと自分双方の健康を守ることにつながります。
世界的に広がる「体重に頼らない健康習慣」は、視点を変えれば、「ペットとともにウェルビーイングを高めるための5つの約束」といえるでしょう。
私たちの健康は、決して自分ひとりのものではありません。飼い主が心身ともに健康で、長く元気でいること。それこそが、愛犬や愛猫にとって最大の安心であり、彼らの生涯を守り抜くための必須条件です。
今年一年、ストイックなダイエットに苦しむのではなく、隣で眠るパートナーの穏やかな表情を思い浮かべながら、自分の生活習慣を少しだけ見直してみる。そんな愛に根ざした健康改革こそが、持続可能で豊かな暮らしをもたらしてくれるのではないでしょうか。
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新年に見直したい「痩せる」より大切な健康習慣とは 愛犬・愛猫と始める5つの改革
