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犬や猫の感覚は「五感」だけじゃない? 不思議な行動の理由がわかる感覚の話

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私たちは日々の暮らしの中で、愛犬や愛猫が見せる不思議な行動に首をかしげることがあります。何もない空間をじっと見つめたり、トイレの場所を決めるまで執拗にくるくると回ったり、あるいは年齢を重ねるにつれて、ほんのわずかな段差につまずくようになったり──。こうした行動を、私たちはつい「癖」や「老化」の一言で片付けてしまいがちです。しかし実際には、その背景に、私たち人間には想像もつかないほど豊かで精緻な「感覚の世界」が広がっている可能性があります。

近年の認知科学や神経科学の分野では、人間の感覚は一般に知られる「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚」という五感だけでは説明しきれず、定義の仕方によっては30種類以上に細分化できるという考え方が提示されています。

これはまだ学術的議論の途上にある概念ですが、「感覚とは何か」を捉え直す重要な視点として注目されています。この考え方は、当然ながら私たちの家族である犬や猫にも当てはまります。むしろ彼らの感覚は、人間よりも特定の分野に強く特化し、あるいは私たちが進化の過程で鈍らせてしまった原始的な能力を、今なお鮮明に保っていると考えられています。

今回は、犬や猫が駆使している「五感以外の感覚」に目を向けながら、彼らがどのように世界を捉えているのかを紐解いていきます。それは単なる知的好奇心を満たす話ではありません。彼らの不可解に見える行動の意味が理解できれば、シニア期を迎えた犬や猫へのケアの質が、確実に変わってくるはずです。

まず注目したいのが、運動能力の土台となる「固有受容感覚」です。これは、自分の手足が今どこにあり、関節がどの程度曲がっているかを、視覚に頼らずに把握する感覚を指します。私たち人間が、目を閉じたままでも自分の鼻先に指を当てられるのは、この感覚が働いているからです。

猫が細い塀の上を難なく歩いたり、犬がアジリティ競技で複雑なコースを全速力で駆け抜けたりできるのも、優れた固有受容感覚によって、手足の位置情報が絶えず脳にフィードバックされているためです。

しかしこの感覚は、加齢の影響を受けやすいことが知られています。シニア犬が散歩中に足の甲を地面に擦る「ナックリング」や、平坦な場所でのつまずきは、単なる筋力低下だけでなく、「足がどう接地しているか」を感じ取るセンサーの精度が落ちていることも一因と考えられます。

この仕組みを理解していれば、老化をただ嘆く必要はありません。たとえば、常に舗装された平坦な道を歩かせるのではなく、砂利道や芝生など、適度な凹凸のある地面をゆっくり歩かせることは、足裏への刺激を増やし、固有受容感覚を保つための有効なサポートになります。

次に、身体の外側に備わった高性能なセンサーとして見逃せないのが、猫や犬の「ヒゲ」です。学術的には「洞毛」と呼ばれるこのヒゲは、単なる体毛ではありません。根元には多数の神経が集中し、わずかな振動や空気の流れの変化を感知できる、極めて鋭敏な触覚器官です。

特に興味深いのは、ヒゲが物体に直接触れなくても、周囲の気流の変化を察知できる点です。猫が暗闇の中でも障害物を避けて移動できるのは、壁や家具に当たって変化した空気の流れをヒゲで読み取り、周囲の空間を把握しているからだと考えられています。

この能力を知ると、見た目を理由にヒゲを切ってしまう行為が、彼らにとってどれほど大きな不便をもたらすかが理解できるでしょう。ヒゲは、彼らが世界を安全に認識するための重要な感覚器官なのです。

さらに、犬や猫の世界認識に欠かせないのが、嗅覚とは少し異なる「化学的な感覚」です。猫が匂いを嗅いだあとに口を半開きにして固まったり、犬が特定の匂いに反応して歯を鳴らすような仕草を見せたりすることがあります。これは「フレーメン反応」と呼ばれ、「ヤコブソン器官(鋤鼻器)」という特殊な器官を使っている証拠です。

ヤコブソン器官は鼻腔と口腔の間に位置し、フェロモンなどの揮発しにくい化学物質を感知する役割を担っています。彼らは匂いを単に「臭い」として感じているのではなく、「誰が残した匂いか」「繁殖状態はどうか」「健康状態に変化はないか」といった多くの情報を読み取っています。散歩中に犬が電柱の匂いを執拗に嗅ぐのは、時間を無駄にしているからではありません。彼らなりに周囲の社会情報を確認している、重要な行動なのです。

そしてもう一つ、近年注目を集めているのが「磁気受容」、いわゆる地磁気を感じ取る能力です。渡り鳥が地球の磁場を利用して移動することはよく知られていますが、犬にも同様の能力がある可能性が、欧州の研究によって示唆されています。複数年にわたる観察研究では、磁場が安定している条件下で、犬が排泄時に身体を南北方向に揃える傾向が見られました。

なぜ排泄時に方角を意識するのか、その理由はまだ明確ではありません。ただ、無防備になる瞬間に自分の位置情報を環境と結びつけて記憶している可能性などが考えられています。トイレの場所を決めるまで犬が何度も回る行動も、単なる落ち着きのなさではなく、内なる感覚を整えようとする行動なのかもしれません。

最後に触れておきたいのが、「内部受容感覚」です。これは心拍、呼吸、胃腸の動き、膀胱の張りなど、自分の体内の状態を感じ取る感覚を指します。近年の動物行動学では、この内部感覚が感情体験と深く結びついていると考えられています。

たとえば、私たち人間もお腹が痛いときに不安を感じたり、動悸がするときに恐怖を感じたりするように、動物たちも体内の感覚を「情動」として体験しています。

分離不安の犬が留守番中にパニックになるのは、孤独によるストレスで心拍数が上がり、その動悸(内部感覚)を「恐怖」として増幅されている可能性があります。つまり、問題行動に見える行動の裏側には、彼らなりの身体的・感覚的な理由が隠れていることも少なくありません。

こうして感覚の視点から見直してみると、愛犬や愛猫が、いかに高度で繊細なセンサーの集合体であるかが分かります。彼らの行動には、必ず理由があります。一見不可解に思える行動も、彼らが感じ取った「何か」に対する、極めて合理的な反応なのです。

飼い主としてできる最高のケアとは、食事やしつけだけではありません。彼らがどんな世界を感じ取り、どんな情報の中で生きているのかを想像し、その感覚を尊重すること。それこそが、言葉を持たない家族との信頼関係を深める、最も確かなコミュニケーションなのではないでしょうか。

次に愛犬が立ち止まったり、愛猫が虚空を見つめたりしたとき、ぜひ思いを巡らせてみてください。そこには、あなたには見えないけれど、彼らにとっては確かに存在する、豊かな世界が広がっているのです。

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元の投稿: 犬や猫とハッピーに暮らすための情報と最新ペットニュース - ペトハピ [Pet×Happy]
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