「うちの子、どうしてこんな行動をするんだろう?」愛犬との暮らしで、そう感じたことはありませんか? 犬は言葉を話せませんが、じつに豊かなボディランゲージで私たちにメッセージを送っています。特に「なだめ行動」は、犬がストレスや不安を感じているサインであり、飼い主がいち早く気づいてあげることが大切です。
今回は、犬のなだめ行動について深く掘り下げ、愛犬との絆を深め、より豊かな暮らしを送るためのヒントをお届けします。

犬のなだめ行動とは
なだめ行動は、「宥和行動」とも呼ばれ、犬が自らのストレスを和らげたり、相手に敵意がないことを伝えたりするための自然な行動です。犬同士のコミュニケーションだけでなく、人間との関係においても重要な役割を果たします。
たとえば、飼い主が犬を叱った際、犬が視線をそらしたり舌なめずりをしたりするのを見たことがあるかもしれません。これは犬が「敵意はない」と伝え、状況を穏便に済ませようとするサインなのです。
犬がなだめ行動を示す理由はさまざまですが、多くの場合はストレスや不安、環境の変化、葛藤が関係しています。また、社会的な関係を円滑にするためにも、この行動は進化のなかで重要な役割を果たしてきたと考えられています。
これまでの研究で分かったこと
近年の研究によると、犬のなだめ行動は単なる本能的な反応ではなく、過去の経験や学習によって強化されることがわかっています。たとえば、ある研究では、犬が繰り返し特定のストレス状況に置かれた場合、なだめ行動の頻度が増加することが観察されました。これは、犬が学習によってストレスを軽減しようとする適応的な行動である可能性を示唆しています。
また、別の研究では、犬が飼い主の感情に敏感に反応し、飼い主がストレスを感じているとなだめ行動をより多く示すことがわかりました。この結果は、犬が単なる動物ではなく、人間の感情に深く共感する存在であることを示す興味深いものです。
犬が示す具体的ななだめ行動の例
犬のなだめ行動にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとして以下の行動が挙げられます。
| あくび | 退屈しているときだけでなく、ストレスや不安を感じているときにも見られます。 |
| 舌なめずり | 緊張や不安を感じているとき、または相手を落ち着かせようとするときに見られます。 |
| 視線をそらす | 相手への敵意がないことを示すために、目をそらします。 |
| 体を掻く・震える | ストレスや不安を感じている時、または葛藤しているときに見られます。 |
| 地面の匂いを嗅ぐ | 緊張を和らげ、自分を落ち着かせようとする行動です。 |
| 体を低くする・尾を下げる | 典型的な服従のサインであり、相手への敵意がないことを示します。 |
| お腹を見せる | 完全な服従のサインであり、相手への敵意がまったくないことを示します。 |
| 前足を上げる | 相手への服従だけでなく、遊びへの誘いを意味することがあります。 ※ほかの行動と合わせて判断することが重要 |
| 服従の笑み | 笑顔のように見えますが、服従や緊張を示すことが多い。 ※口角を上げる行動は “Submissive grinning”と呼ばれ、人間でいう笑顔とは異なります |
これらの行動は、犬の感情や意図を読み解くための重要な手がかりとなります。行動の強弱や、ほかの行動との組み合わせによって、意味合いが異なる場合があるため、注意深く観察することが大切です。
場面から読み解く犬のなだめ行動とその目的
犬のなだめ行動は、単なる仕草ではなく、彼らが置かれた状況や感じている感情を私たちに伝えるための重要なコミュニケーション手段です。これらの行動を理解することで、愛犬が何を伝えようとしているのか、どのような状況でストレスを感じやすいのかを把握し、よりよい関係を築くことができます。
飼い主とのコミュニケーション時
飼い主に叱られたとき、犬は目をそらしたり、体を低くしたりすることがあります。これは、敵意がないことを示し、飼い主さんの怒りを鎮めようとする行動です。また、抱きしめられたときにあくびをしたり、体を掻いたりするのは、過度な接触に対する不安や緊張を表しています。このようなときには、犬が落ち着けるように、少し距離を置いてあげるとよいでしょう。
ほかの犬との交流時
ほかの犬との出会いの場面では、犬は互いにニオイを嗅ぎ合い、相手の意図を読み取ろうとします。このとき、どちらかが目をそらしたり、体を横に向けたりするのは、相手への敵意がないことを示しています。また、遊びの場面で片方の犬が急に動きを止めたり、地面のニオイを嗅ぎ始めたりするのは、遊びの興奮を鎮め、相手との関係を円滑に保とうとする行動です。
環境の変化やストレスを感じた時
雷や花火の音、引っ越し、新しい家族が増えたときなど、環境の変化やストレスを感じたときにも、犬はなだめ行動を示します。例えば、雷の音に怯えて震えたり、飼い主さんにしがみついたりするのは、不安や恐怖を表しています。このような場合は、犬が安心できる静かな場所を用意し、優しく声をかけてあげましょう。
動物病院での受診時
診察台の上や、見知らぬ人に触られるときなど、犬は強いストレスを感じることがあります。犬が舌なめずりしたり、あくびをしたりするのは、不安や緊張を表しています。診察中にこのような行動が過度になった場合は、診察を中断することもあります。
このように、犬が置かれた状況や感じている感情によって、なだめ行動はさまざまな形で現れます。これらの行動を理解し、適切に対応することで、犬との信頼関係を築き、より豊かな共同生活を送ることができるでしょう。

なだめ行動への適切な対応と注意点
愛犬が示すなだめ行動に気づいたら、まずはそのサインを理解しようと努めることが大切です。これらの行動は、犬がストレスや不安を感じていることを示しており、放置すると問題行動につながる可能性があります。たとえば、愛犬があくびをしたり、唇を舐めたり、視線をそらしたりするのは、不快感や緊張を表しているかもしれません。このようなサインを見逃さず、愛犬が安心できる環境を整えてあげましょう。
具体的な対応としては、まずストレスの原因を取り除くことが重要です。騒がしい場所から静かな場所に移動したり、見知らぬ人や犬から距離を置いたりすることで、愛犬の不安を和らげることができます。また、優しく声をかけたり、体を撫でたりすることも効果的です。ただし、過度に構いすぎると、かえってストレスになることもあるため、愛犬の様子を見ながら対応しましょう。
飼い主さんが注意すべき点として、なだめ行動を誤解しないことが挙げられます。たとえば、犬があくびをするのは、退屈しているときだけでなく、ストレスを感じている場面でも見られます。また、お腹を見せるのは服従のサインですが、必ずしもリラックスしているとは限りません。これらの行動を正しく理解するためには、日ごろから愛犬の行動をよく観察し、文脈に合わせて判断することが大切です。
しつけの際には、罰を用いるのではなく、ポジティブな強化を心がけましょう。罰は犬のストレスを増大させ、問題行動を悪化させる可能性があります。ご褒美やおやつを使って、望ましい行動を促すようにしましょう。
また、体調不良や病気が原因でなだめ行動を示すこともあります。いつもと違う行動が見られた場合は、獣医に相談するようにしましょう。早期発見・早期治療が大切です。
子どもがいる家庭では、子どもにも犬のなだめ行動を理解させ、適切に接するように教えることが重要です。子どもが犬のサインを無視して無理に触ろうとすると、犬が身を守ろうとして噛んでしまう可能性があります。子どもと犬が安全に暮らせるように、飼い主さんがしっかりと監督し、教育することが大切です。
まとめ
犬のなだめ行動は、私たち人間が気づかないうちに日常で頻繁に見られます。この行動を正しく理解し、適切に対応することで、愛犬との信頼関係をより深めることができ、より豊かな暮らしを送ることができるでしょう。
日ごろから愛犬の行動を注意深く観察し、サインを見逃さないようにしましょう。もし、愛犬の行動について不安や疑問がある場合は、獣医行動診療科認定医やドッグトレーナーなどの専門家に相談することをオススメします。
元の投稿: 犬や猫とハッピーに暮らすための情報と最新ペットニュース - ペトハピ [Pet×Happy]
愛犬のサインを見逃さない! 犬の「なだめ行動」でわかる気持ちと対処法
