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「ブタケツ」に「ビバリーヒルズ」! 昭和の「ツッパリ」憧れの的だった「日産ローレル」の足跡

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世界基準の高性能が与えられた日本初のハイオーナーカー

 地中海沿岸部に生育し、古代ギリシャ時代から勝利や達成の象徴とされてきた月桂樹の名前が与えられた、日産のアッパーミドルサルーン(死語?)である「ローレル」。販売中止から約20年。お笑いタレントである「バッドボーイズ」佐田氏の愛車(2代目ブタケツ)が話題に上る程度で、その名を聞く機会はめっきり減った。

 ただ、初代は世界を見据えた崇高な作り込みがされた日本初のハイオーナーカーとして、6~8代目は生産終了後にドリフト競技のベース車両として人気を博した。今回はその歴史を振り返りたい。

日産生まれなのにプリンス育ち! 運命にもて遊ばれた初代

 初代(C30)がデビューしたのは1968年4月。立ち位置はブルーバードとセドリックの間を埋めるものであったが、タクシー仕様や商用車を設定しないことで高級パーソナルセダンとしてイメージを強調した。直線基調のスクエアなスタイリングは当時日本で人気が高かったアメ車ではなく、BMW2002など欧州車テイストのデザインだ。

初代ローレル

 足まわりもフロントがストラット、リヤがセミトレ―リングアームの独立縣架を採用。ステアリング形式は当時としては珍しいラック&ピニオン式で、クロスフローの1800㏄エンジンを搭載するなど、その先進性は名車と呼ばれた510型ブルーバードよりも上。かなり抜きん出た高性能車であった。

 ただ、ローレルにとって不幸だったのは開発途中に起こった日産自動車とプリンス自動車の合併(1966年)。その影響で日産で開発されたローレルの生産がプリンスの主工場であった村山となり、エンジンもプリンス謹製のG18型が搭載されるなど、開発当初の計画とは大きく方向転換した。

販売低迷によりスカイラインと兄弟車になりプリンスへ完全移籍

 さらにスカイラインとローレルはサイズが近似。1960年代後半~1970年代前半はパーソナル性よりも、スポーツ性がクルマの販売に大きく貢献した時代であったこともあり、レースで活躍したスカイラインのほうが人気は高く、ローレルはやや陰に隠れた存在になってしまった。合併がなければ日産で独自のポジションを確立できたはずだが出鼻をくじかれたわけだ。そのため、現在は中古車市場にほぼタマが残っていない。

初代ローレルのリヤビュー

 さらに追い打ちをかけたのが、同年9月にトヨタからコロナ・マークIIが登場したこと。デザインだけでなく、ボディ形状やエンジン、グレードに至るまでシンプルな構成だったローレルに対して、真逆といえるワイドバリエーションを展開。それがユーザーのハートをガッチリと掴みマーケットを席捲。これに対して、ローレルも2Lエンジンと日産車初の2ドアハードトップで対応するも時すでに遅し。販売は伸び悩んだ。これにより、2代目以降は基本設計をスカイラインと共用化。本家の日産から分家の旧プリンス陣営へ完全移籍となる。

「ブタケツ」や「ガメラ」の愛称で呼ばれ生産終了後も人気が急上昇!

 2代目(C130)が登場したのは1972年。基本コンポーネンツを5カ月後にデビューする3代目「ケン&メリー」スカイラインと共用し大型化した。エンジンも待望の6気筒(L20型)を搭載。後期にはスカイラインには設定されなかった3ナンバーのL26型&L28型をラインアップに加えるなど、ハイオーナーカーに相応しいゆとりある走りが魅力だった。

2代目ローレル

 アメリカンスポーツがモチーフとなったデザインもケンメリと共通性があり、まさに兄弟車という雰囲気で両車とも人気は高かった。2ドアハードトップと4ドアセダンの2本立てなのは初代と同じ。前者は「ブタケツ」、後者は「ガメラ」という愛称で呼ばれた。ケンメリよりもタイヤハウスが深く、より太いホイールが履けたこともあり、街道レーサーのベース車として息の長い人気を誇った。現在も歴代で一番人気が高く、セダンで250万円~、2ドアになると350万円~というのが相場となっている。

2代目ローレルブタケツのリヤ

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