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モノコック全盛のいまでもランクルやジムニーが採用する「ラダーフレーム」! 古い構造のドコにうま味があるのか?

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「ラダーフレーム」とほかの車体構造との違いは?

 SUV人気は相変わらず高いようですが、近年、その多くは「モノコックフレーム」を採用した乗用車に近いクルマとなっています。その一方で、小はジムニーから大はランドクルーザーまで、本格的なクロスカントリー4WD車は「ラダーフレーム」にボディを載せるタイプがほとんどです。今回はこのラダーフレームに注目してみました。

クルマの原点とも言うべき車体構造が「ラダーフレーム」

 内燃機関を搭載したクルマが誕生した19世紀末から20世紀の初頭にかけて、ほとんどのクルマの車体構造は、フレームに前後のサスペンションを取り付けてエンジンを搭載し、そこにボディを架装するというものでした。ちなみに、フレームに前後のサスペンションを取り付けた状態を「シャシー」と呼び、それにエンジンを搭載したものを「ローリングシャシー」と呼んでいます。

 近年のレーシングカーではモノコックフレームにエンジンを剛結して搭載し、そのエンジンにトランスミッションを組みつけて、リヤサスペンションはミッションケースやデフのハウジングに取り付けるケースが一般的。エンジンを搭載しないとリヤのサスペンションが組み付けられない構造が多く、シャシーとかローリングシャシーの言い分けも、あまり意味を持たなくなってきました。

 フレームに話を戻すと、ボディと別体のフレーム構造でもっとも一般的なスタイルがラダーフレームです。これはラダー(Ladder=梯子)の名前通り、梯子型のフレームでクルマの前後方向に走る2本の太い主構造体に、クルマの左右方向に走る副構造体を組み合わせたもの。前者をメインフレーム、後者をサブフレームと呼ぶことがあります。

1932年シュコダ422のラダーフレーム

メインフレームが1本だと「バックボーンフレーム」

 ラダーフレームに似た構造でメインフレームが1本のパイプで構成されているものを「バックボーンフレーム」と呼んでいます。この太いパイプに前後のサスペンションやエンジン、ミッションやデフなどを組みつけてシャシー(ローリングシャシー)を構成していて、フロントエンジンの後輪駆動車では、バックボーンパイプのなかにプロペラシャフトを通しているのが一般的となっています。バックボーンフレームを採用していたクルマとしては、1920年代にチェコで生産されていたタトラがよく知られています。

1920年代のタトラ13トラックはバックボーンフレーム

 さらに、バックボーンフレームのメインパイプから横に梁を這わせてフロアパネルを貼ったプラットフォーム・フレームもあって、こちらはフォルクス・ワーゲンのタイプ1、いわゆる「ビートル」に採用されて広まっていきました。

VWビートルのプラットフォーム・フレーム

ボディそのものが応力を受け持つ「モノコックフレーム」

 これに対して近年では、とくに乗用車ではモノコックフレームを採用するのが一般的となっています。モノコックフレームとは、ラダー形式やバックボーン形式など別体のフレームを持たずに、ボディそのものが応力を受け持つように計算されているもので、「応力外皮構造」とも呼ばれています。よく引き合いに出されるのは卵の殻で、薄い殻自体は強度は高くはないのですが、殻全体で受けた力を分散しているので強度が高くなる、という論法です。

 ちなみに、モノコック(monocoque)というのはギリシャ語で「ひとつの」という意味を持つ接頭語の「mono」と、フランス語で「二枚貝の貝殻」という意味の「coque」を組み合わせた合成語です。もともと航空機の新技術として登場し、乗用車としては1922年に登場したランチア・ラムダで初めて採用されていて、必要な剛性を確保しながらもボディを軽量に仕上げられる、というのが最大の特徴(特長)となっています。

1922年登場のランチア・ラムダのモノコックフレーム

 ラダーフレームからモノコックフレームに移行する際、鋼管スペースフレーム/チューブラー・フレームが多用された時代もありました。これは細いパイプを何本も組み合わせて構成するフレームで、ラダーフレームよりも軽く仕上げることができ、また部分補修も可能でしたが生産性に問題があり、パネルをプレスで成形して溶接で組み立てるモノコックにとってかわられました。ただし、大量生産には不向きでしたが、少数生産されるレーシングカーなどでは、カーボンファイバーなどの新素材が登場するまでは多く使われていました。

1957年メルディ300SL(W198)のチューブラー・フレーム

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