【猫飼いTIPS】猫は飼い主の感情を理解することができる!?

猫が犬よりも社会化や絆を築くのが難しいとうのは誤った俗説です。確かに、人間と犬とは古代より連綿と関係が続いおり、私たちのことを理解する能力では先行しています。

つまり、犬はもっとも古くもっとも普及しているペット（コンパニオン・アニマル）といえ、相互作用を通じてお互いに進化しあう「共進化」も進んでいるのです。

では、猫とそういった関係を築くのは難しいのでしょうか。まだ研究の余地はありますが、私たちと猫の関係は確実に形成されているといえます。猫は、自分の五感をすべて使って、大好きなあなたのことを理解し、コミュニケーションをとります。

猫と話をすることはできません。したがって、猫が何を感じて、何を考えているかを正確に判断することはできません。

猫が好奇心旺盛な生き物で、いろいろな方法で得たものを手がかりに行動することはわかっています。しかし、猫が人間の感情をどのように解釈するかは、研究が始まったばかりで初期の段階です。

どのように猫が私たちの感情に同調するのか、これまで判明しているいくつかを紹介します。

猫は人の発するニオイ＝体臭を手がかりにして、飼い主を識別していることはわかっています。また、体臭は、病気だけでなく、ストレスなど心理状態によって微妙に変化しますが、喜びや楽しいときのニオイ、悲しみや苦しいときのニオイがどのようなものかは解明されていません。

そして、猫がそれを嗅ぎ分け、飼い主の状況を認識したり、どのような反応をするのかといった研究はなされていません。

猫は物体を視覚的に認識する能力は高いのですが、人間の顔を認識するのは難しいという研究結果があります。普段のあなたの顔を正確に認識していないので、表情を変えたりメガネなどをかけても変化はありません。

しかし、猫が敏感に反応する視覚的な手がかりがあります。それは視線です。猫は視線から意図を判断することができます。

英国の心理学者チームの研究により、ゆっくりと“まばたき”をすることで、猫との絆を構築できる可能性があることが示されました。まばたきが、猫の笑顔とされている“目を細める動作”と同様と認識されるということです。

猫が人間の声に反応するのは明らかです。特に、いつもお世話をしてくれる飼い主さんや、女性の高い声に反応するといわれています。

また、声のトーンによって、人間の感情の状態を認識できると考えられ、研究が進められています。

視線を感じて見ると、猫があなたをじっと見つめていたという経験があると思います。これは、視覚情報や聴覚情報からあなたの状況を理解しようとしていると考えられます。

例えば、あなたが泣いているとき、猫にはその理由を理解できないかもしれませんが、できる限り多くの手がかりを集め、それらをもとにしてあなたの感情に同調しようとしているのでしょう。

研究によると、強化学習が猫の同調に大きな役割を果たすことが明らかになっています。例えば、落ち込んでいるときにため息をついたり、悲しいときにすすり泣いたりしていると、猫はあなたの状況を関連付けて理解しているのです。

私たち人間同士が悲しみや喜びを理解するのと同じように、猫もあなたが悲しんでいることや喜んでいることを正確に理解できているかはわかりません。

ただし、悲しんでいるときに猫が人間を慰めてくれるという証拠はあります。あながが悲しんでいたり、泣いているときに、猫がいままで以上にすり寄ってきた経験はありませんか？　なかには、あなたの注意を引こうとして、目の前で寝転がってヘソ天であなたに撫でるように催促する猫もいるでしょう。

いずれにしても、これらの行動は、あなたの感情状態に同調している可能性があるということです。

猫は人間の感情に大きな影響を与えます。ふかふかの被毛を撫でるだけで、私たちの脳内では「幸せホルモン」が分泌されます。

では、私たちの感情は、猫にどのような影響を与えるのでしょうか。飼い主と飼い猫は、互いの幸福感や行動が鏡のように反映されているという研究結果があります。研究者は、この結果を「親子関係と似たところがある」としています。

また、ある調査によると、自分ががストレスを感じているとき、猫もストレスを感じているように見えると答えた飼い主が7割にものぼりました。

つまり、精神的な安定や幸福感を高めることは、私たちだけでなく猫にとっても重要だということです。気持ちが落ち込んだら、まず猫を撫でてみましょう。気分が落ち着き、猫もあなたに同調して幸せになることでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスによって猫と一緒にいる時間が増えたことで、あなたが思っている以上に、猫と人間の絆が形成された可能性はあります。猫はあなたへの愛着を深め、人間の感情をより深く理解できるようになったかもしれません。

猫は、五感を使って、あなたの感情を読み取ろうとしているのです。そして、自ら得た情報からあなたの状態を理解し同調しています。

このことからわかることは、あなたが幸せなら猫も幸せになるということです。日常で憂鬱になることは多々あります。そんなときには愛猫を撫で、コミュニケーションを取ることお互いがハッピーになれるはずです。