ポルシェ界では不遇の水冷FRだが役モノならではの価値はあるのか?
2025年6月29日、名門「ボナムズ・オークション」社がスイス西端のゴルフリゾート地、シェゼレックスの「Golf & Country Club de Bonmont」を会場として開催した「THE BONMONT SALE」オークション。高級クラシックカーや近・現代のスーパーカー/ハイパーカーなど、高額落札が見込まれるクルマたちが数多く出品されていました。そのなかで、やはりポルシェは常に特上の人気商品となるようです。今回オークションレビューで俎上に載せるのは、並みいるポルシェでもちょっと不遇な感もある水冷FRモデルながら、特別な「役モノ」モデルでもある「924カレラGT」をピックアップ。その車両概要と注目のオークション結果についてお伝えします。
ホモロゲーションモデルとして開発された“カレラGT”とは?
「ポルシェは924に大きな計画を掲げている。フォルクスワーゲンとの協業で開発され、その後ポルシェのラインナップのベースモデルとなったこのモデルは、高級スポーツカー市場でのプレゼンスを保ち、最終的には911の後継車となる予定……」
アメリカを代表する自動車専門誌『ロード&トラック(Road & Track)』は、1980年8月号においてそう述べている。
フォルクスワーゲンがポルシェの設計による「914」後継モデルの共同開発を断念したため、ポルシェは独自に新型車プロジェクトを推進することになる。しかし、それでも1975年11月に発売された924は、フォルクスワーゲン/アウディのコンポーネントを多用していた。
2Lの直列4気筒SOHCエンジンは「アウディ100」のOHVユニットを発展させたもので、4速トランスアクスルはフォルクスワーゲンのもの。ただし、ポルシェ設計の5速ギアボックスとサスペンションの改良が初期の開発段階で行われたのち、1978年には初の真の高性能版924である「924ターボ」が誕生する。
スタンダードの924(125ps)に対し、ターボチャージャーによって追加された45psは最高速度を約240km/hまで引き上げたが、この数値は「924 カレラGT」によってさらに向上されることになる。
406台のカレラGTがポルシェ本社ツッフェンハウゼン工場からラインオフ
レースカーのポテンシャルを備えたロードモデルとして、豪華な装備の924 カレラ GTは1979年のフランクフルト・モーターショーで発表された。ボンネットのエアインテークとワイド化されたホイールアーチで、通常の924ターボと容易に区別できるカレラ GTは、レースおよびラリー競技で要求されるFIA「グループ4」ホモロゲーションを取得するための最低要件である400台の生産を満たすために限定生産されることが決定。実際には406台がポルシェ本社ツッフェンハウゼン工場からラインオフしたといわれている。
ロードバージョンでは210psの最高出力を発揮するとアナウンスされたものの、レース用に300psを超える出力まで強化可能とのこと。1980年のル・マン24時間レースにはワークスチームが3台をエントリーし、6位、12位、13位でフィニッシュした。
そして翌1981年、その年の2月に10万台目の924が工場を離れたのと同じころに、カレラGTの限定版派生モデルが2種類追加される。シーズン限定で生産されたこれらのモデルは「カレラGTS」および「GTR」と命名され、GTSはFIAホモロゲーション規約に準拠した公道走行が可能な245psの軽量ハードコアバージョン。GTRはさらに強力な(375ps以上)のコンペティション専用車両で、レースやラリーに参加するプライベーター、および一部のコレクターを対象に販売された。
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生産26台の希少な漆黒のポルシェ「924カレラGT」!コンディション抜群でも落札されなかった理由とは

