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銅ペプチドとは何か──“青い美容液”が話題になる今、犬猫の健康に役立つ可能性

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ここ数年、人間の美容・スキンケア分野で、青みを帯びた美容液やクリームが話題になる機会が増えています。その青色は、着色料ではなく銅イオンと結合したペプチド複合体(いわゆる「銅ペプチド」)という成分そのものの色です。この成分は、単なる流行の美容成分にとどまりません。実は、私たち人間だけでなく、愛犬や愛猫の健康にとっても、非常に重要な鍵を握る可能性を秘めているのです。

まず、この成分は一体何なのか、その基本的な性質から理解を深めていきましょう。正式名称を「グリシル-L-ヒスチジル-L-リジン-銅複合体」といい、アミノ酸が結合したペプチド(GHK)と銅イオン(Cu)が結びついた天然の分子です。この成分はもともと人間の血液中に存在しており、1970年代にローレン・ピックアート博士によって発見されました。

博士の研究によれば、若い人の血漿(けっしょう)にはこのGHK-Cuが豊富に含まれていますが、年齢を重ねるにつれてその濃度は著しく低下していくことが分かっています。たとえば、20歳の血中濃度と比較すると、60歳では約60%も減少してしまうのです。この減少が、年齢とともに傷の治りが遅くなったり、皮膚の弾力が失われたりする現象と密接に関係していると考えられています。

専門的な視点から言えば、銅ペプチドは細胞に対する「シグナル伝達(細胞に働きかけ、反応を引き起こす合図)」に関わる分子として扱われます。平たく言えば、現場監督のように細胞たちへ指令を出す役割を担っているのです。その指令の内容は、「古い組織を分解し、新しい組織を作りなさい」というものや、「炎症を抑えなさい」「抗酸化防御システムを作動させなさい」といった、体のメンテナンスに関わる重要なものばかりです。

特に注目すべきは、コラーゲンやエラスチンといった皮膚の土台となるタンパク質の生成を強力に促進する作用です。さらに、傷ついた組織に栄養や酸素を届けるための新しい血管を作る「血管新生」をサポートする働きも確認されています。これらの機能は、人間にとっての美容効果、つまりシワの改善やハリの向上として語られることが多いのですが、獣医学的な視点に切り替えると、もっと切実で本質的な「治療」や「ケア」の可能性が見えてきます。

犬や猫における銅ペプチドの可能性として最も期待されているのが、「創傷治癒(傷の治り)」の分野です。ウサギ、そして犬を用いた研究において、銅ペプチドを含む製剤を使用することで、傷口の閉鎖が早まり、炎症反応が適切にコントロールされるという結果が報告されています。

私たち飼い主が直面する具体例として、愛犬の肉球トラブルが挙げられます。夏の焼けたアスファルトによる火傷や、乾燥によるひび割れ、あるいは冬場の凍結路面での損傷など、肉球は過酷な環境に晒されています。肉球は血管が特殊な分布をしており、一度深く傷つくと治りにくい部位でもあります。ここに銅の血管新生作用とコラーゲン生成作用が応用できれば、従来のワセリンや保湿クリームによる「保護」だけでなく、細胞レベルでの「修復」を促すことができるかもしれません。

さらに視野を広げると、ペットの高齢化社会における深刻な課題である「床ずれ(褥瘡)」ケアへの応用も期待されます。寝たきりになったシニア犬や猫は、血流が悪くなり、皮膚が壊死して床ずれができやすくなります。銅には、皮膚のバリア機能を強化し、血流をサポートする働きがあるため、床ずれの予防や、できてしまった傷の早期回復に向けた新たな選択肢となる可能性があります。実際に、人間の一部の創傷治療薬にはこの技術が応用されており、獣医療への転用が進めば、シニアペットのQOL(生活の質)を大きく向上させることにつながるでしょう。

しかし、ここで皆様に強くお伝えしなければならない、極めて重要な注意点があります。それは、「人間用の銅ペプチド配合化粧品を自己判断でペットにつかっていけない」という事実です。

「成分が良いのなら、私の使っている高級美容液を愛犬の傷に少し塗ってあげても良いのではないか?」という親心からの発想は、時にペットを重大な危険に晒すことになります。理由は銅ペプチドそのものだけでなく、香料、溶剤、防腐剤、精油など「その他の成分」の安全性が動物用に設計されていないこと、さらに犬猫は塗布物を舐め取る可能性が高く、外用でも経口摂取が起こり得るためです。特にキシリトールは、犬にとっては微量でも猛毒となります。

加えて「銅」そのものの扱いにも慎重さが必要です。銅は必須ミネラルですが、過剰に摂取すると毒性を示します。特に犬種によっては、遺伝的に肝臓での銅の代謝がうまくいかず、体内に銅が蓄積してしまう「銅関連性肝障害(銅関連性肝炎)」のリスクを持っています。

また、皮膚のpHバランスや厚みも、人間と動物では異なります。人間の皮膚は弱酸性ですが、犬の皮膚は中性に近く、表皮の厚さは人間の3分の1から5分の1程度しかありません。人間用に設計された高濃度の製品は、デリケートな動物の皮膚にとっては刺激が強すぎ、逆にかぶれや炎症を引き起こす原因になりかねないのです。

このように、銅ペプチドは「夢の成分」であると同時に、扱いを間違えれば「毒」にもなり得る、諸刃の剣のような側面を持っています。科学的な根拠があり、効果が期待できるからこそ、私たちはより慎重に、そして賢くある必要があります。

では、私たち飼い主はこの新しい知見とどう向き合えばよいのでしょうか。まずは、情報のアンテナを正しく張ることです。海外では、ペット専用に調整された銅ペプチド配合のケア用品が登場し始めています。もし、愛犬や愛猫の皮膚トラブルや傷の治りの遅さに悩んでいるのであれば、まずはかかりつけの獣医師に相談し、こうした新しい成分が含まれた動物用製品の導入が可能かどうかを尋ねてみるとよいでしょう。

科学の進歩によって、これまで対応が難しかった皮膚トラブルでも、原因の理解やケアの選択肢が少しずつ広がっています。銅ペプチドの研究も、その流れの中にある一つです。ただし大切なのは、話題性だけで判断せず、根拠の段階や安全性を冷静に精査し、安易に人間用の製品をペットへ流用しないことです。

銅ペプチドの研究はまだ発展途上ですが、皮膚が回復していく過程を支える発想を後押しし、将来的にペットの皮膚疾患ケアやシニア期のQOL向上につながり得る「希望の選択肢」の一つとして注目する価値があります。

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元の投稿: 犬や猫とハッピーに暮らすための情報と最新ペットニュース - ペトハピ [Pet×Happy]
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