希少な正規ディーラー車の’79年式クライスラー・ニューヨーカー
ムーンアイズ主催のストリートカーナショナルズには、毎年数多くのアメリカ車が集まります。マッスルカーやSUV、ピックアップなどジャンルはさまざまですが、その中でひときわ目を引く1台を発見しました。淡いグリーンの角張ったボディに巨大な4ドアセダンスタイルです。その正体は、クライスラーのフラッグシップモデルだった1979年式の「ニューヨーカー」です。田中角栄元首相が乗っていたことでも知られる希少な高級車が、なぜ今もこれほどの素晴らしい状態を保って走り続けているのでしょうか? オーナーの野口さんに話をお聞きしました。
日本ではあまり見かけないクライスラーの4ドアセダン
日本でアメリカ車の中で人気が高いのは、オイルショック前のマッスルカーやピックアップ、バンなどだ。当然、日本への輸入台数も多く、現存台数も多い。ところがアメリカがもっとも得意とした巨大セダンとなると話は別で、日本に輸入されているケースは少なく、あまりポピュラーではない。今回紹介する巨大な4ドアセダンモデルも、車両を見ただけですぐに車名を言い当てられる人は、アメリカ車好きでも少ないのではないだろうか。
クライスラー ニューヨーカー:リアシート部分のみレザートップ化されたこの4ドアセダンは、レザートップ部分も含めてアメリカらしい淡いグリーンで統一されているのが特徴だ
リアシート部分のみレザートップ化されたこの4ドアセダンは、ボディサイドのバッジからも分かる通り戦前から続くクライスラーのフラッグシップモデルとなる「ニューヨーカー」である。このクルマのオーナーである野口さんは、イベント当日はお子さん連れで参加していた。早速、話を伺ってみた。
日本に正規輸入されたディーラー車を知人から入手
「このクルマは’79年式で、当時国際興業が輸入したディーラー車です。私は今から10年ほど前にこのクルマを入手しました。この年代のニューヨーカーというと、ロッキード事件の公判時に田中角栄元首相が乗っていたことでも知られています。当時は相当高価だったはずなので、一般人には手が出ないクルマだったのではないかと思います。前オーナーが知人で、以前北海道の釧路にあった個体だということも分かっています」
クライスラーのニューヨーカーは、戦前から存在する同社の高級車種だ。この’79年式モデルは、同年にデビューした7代目モデルにあたる。オイルショックの影響を受け、前モデルと比べてボディをダウンサイズ化し、搭載エンジンの排気量も小さくなっている。それでもボディ全長は5.6m以上と巨大で、日本で乗るにはかなり気を遣うサイズだ。

オリジナルをキープした極上コンディションを楽しむ
淡いグリーンのボディは、野口さんの手元に来てから一度リペイントを施しており、非常に状態が良い。ボディカラーと同じグリーンでコーディネートされた内装もオリジナルだ。エンジンはラインナップ中最大の約5.9リッター(360キュービックインチ)のV8を搭載している。翌’80年より約5.2リッター(318キュービックインチ)のみとなってしまうため、7代目モデルの中では最もパワフルな仕様ということになる。ちなみにニューヨーカーのような高級車では、それまでアメリカでは7.2リッター(440キュービックインチ)のような巨大なエンジンが主流だったが、1973年のオイルショック以来、より「経済的」な選択肢として360ciが搭載されるようになった背景がある。最高出力(170~195馬力)こそ低いものの、低い回転域から太いトルクを発生させるため、2トンを超える巨体のニューヨーカーをゆったりと走らせるには適した特性と言えた。
足回りは純正のスチールホイールにハブキャップの組み合わせだ。215/75R15という日本ではあまり見かけないサイズのホワイトリボンタイヤを装着している。これは純正の組み合わせであり、このクルマは基本的にフルオリジナルといえる。

「足回りの部品は’70年代のクライスラーの多くの車種と共通なので困ることはありません。エンジンも360ciは多くの車両に使用されているので、おそらくパーツの入手もできるでしょう。これまであまり大きなトラブルもなく、今でも快適ですよ」
こちらが思っていた以上に、見た目がかなり大きなニューヨーカーでも普段使いも苦にならずに楽しんでいる様子の野口さんが、この日の会場で非常に印象的だった。
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田中角栄も愛車にした高級アメ車が現存! 全長5.6メートルのクライスラー・ニューヨーカーとは!?
