パーツの少なさを他車流用でカバー、
己の感性で仕上げた1台のRCZ
ブルーライオン、すなわちプジョー。
このプジョーばかりを、免許取得スグからずっと乗り継ぐというオーナーが作り上げた渾身のスタイルアップカー。「このクルマは一体なに?」と思わせるほどのカスタム内容は、注目せずにはいられないはずだ。スタイルアップシーンでは特異な稀少性とちょっぴりヘンタイ性のあるプジョー。そこに惚れ込む、若き狩人の熱情を探る。
【PEUGEOT RCZ】
「高校生時代からワゴン雑誌などを読み漁っては、自分ならと考えていました」というオーナー。
てっきりファーストカーはワゴンかと思いきや、20歳で初めて購入した初の愛車は「プジョー206」というから面白い。
聞けば、コーディネートのイロハこそ雑誌で学んだものの、好みはコンパクトハッチだったらしく、値頃感のあったプジョー206を獲得したそうだ。雑誌で培った知識を基にカスタマイズを2年近く楽しむものの、もらい事故であえなく廃車に。その後、同じ型のスポーツモデルを入手、ちょうど目覚めたばかりのジムカーナ仕様にとアルミホイールは移植しつつ、足まわりは「アラゴスタ」に変更。吸排気系を磨くなど、強く走りを意識したチューンド206を漫喫、そして約4年前に現在に至るプジョー RCZを購入した。
彼が武器としたのはDIY。
緑を用いた外装のラッピングをはじめ、ピラーやリップ、ダックテール、ディフューザー、マフラーエンドなどなど、ほとんどがオーナー自らの手による“DIY”というから驚く。そして、昨秋にイベントで知り合ったRCZカスタムの巨魁「マッキナ」の太田代表に手直しこそ依頼したものの、スタイリングづくりの雛形はオーナーのセルフプロデュースと知れば、彼が自己研鑽してきたセンスに脱帽する他ない。
「穴があくほど”WAGONIST”といったカスタム雑誌を熟読していたので、DIYに対する憧れは同世代よりも人一倍。エアロ加工など”ゼロからのチャレンジ”でしたが、不格好でも出来上がったときの満足感は堪りません。ボクにとって、いわば盆栽みたいなもの。とっておきの時間に乗り込んで繰り出す、その瞬間が来るのが一番待ち遠しいんです(笑)」。