2018年度のジャンプでは創刊50周年記念企画として、レジェンド作家SPインタビュー「GO! 50! JUMP」が掲載されている。
その第8回目に、遂に尾田栄一郎先生が登場!!!
そして、その完全版が「ジャンプ展 公式図録 vol.3」に掲載された。
ここでは、そのインタビューについての感想を書いてみたい。
まず、そのインタビューの一部を書き起こしてみる。
「いやあ、素晴らしい。
20歳そこそこにしては構成力が素晴らしいと思います(笑)」
ONE PIECE 第1話が載ったジャンプを尾田先生に見てもらうと、そんな冗談めかした一言が出た。
実際、その完成度の高さに驚かされる。
「ボツを重ねられた上で描いたものだったのでね(笑)。
2回ボツにされてようやく通った連載第1話でした。
読み切り時代から、編集者からのボツはとにかくたくさんくらっていましたね」
だが、そのボツに「救われた」と話す。
「ボツがたくさんあると言う事は、その分ネタが溜まっているということ。
編集者に見せる前に自分でボツにしたものもある。
世に出せなかったボツネタがたくさんありましたから、連載当初はずいぶん助かりましたね。
ボツになった原因は自分でわかっているから、その時持っている技術で描き直せば、立派な一本の話になるんです。
順風満帆できた人は、ネタが溜まっていないから、大変だなと思います」
「ワンピース」は、昨年20周年を迎えた。
長きにわたってジャンプという雑誌の看板を背負い続けることも重圧は無いのだろうか。
「背負っているような意識は無いんですよ。
自分の作品が一番たくさんの人に読まれていればうれしい──それだけ。
1番だと自分のテンションも上がるので、もっと面白い話を作ろうと言うエンジンになる。
僕は、責任感が強くないんです。
もし「ワンピース」を終わらせる時が来たら、編集部から「もっと続けてくれ」と言われたところで、それを聞く気もないですしね。
僕が終わるのは、僕の自由。
まぁ…終われないんですけどね。
ストーリーがまだまだあるので」
共に15年に渡り連載を続けてきた「ナルト」(岸本斉史)の終了について話を向けると、「ものすごく寂しかった」と話す。
「岸本さんとは同い年だし、同じ時期にマンガがヒットして。
漫画家なのに映画を任されてみたり(笑)、やっている事も似ている。
どれだけ長い付き合いの漫画家同士でも、ヒットの度合いが違うと「これを言っても伝わらないかもしれないな」と言うことが出てきますけど、岸本さんとは同じ苦労をして、同じことで悩んできたので、話が合うんです」
もしこれから「ワンピース」と並び立つような大ヒット作を生み出す作家が現れたとしても、尾田先生と同じ風景を見てきた作家は、これまでもこれからも、岸本先生だけなのだ。
「そうなんですよね。
15年選手は1年では作れませんから…。
岸本さん、今は本当に幸せそうに遊んでますけど(笑)、やっぱりあそこまで行った人ですから、今では僕の愚痴を聞いてくれたり、話し相手になってくれています」
漫画業界を見渡して、こんなことも考えている。
「今、読者が選ぶ雑誌が多様化していって、同じマンガをみんなが読むということが減りつつあるのは、ちょっと残念だなと思います。
これは僕の実体験ですが、昔は「ドラゴンボール」を読んでいることを話したら、すぐに友達ができた。
マンガには、そういう役割があると思っていて。
特に僕らの子供時代は、ジャンプの役割が本当に大きかった。
だから“たくさん売れる”と言うことには価値があるのだと思う。
もっと共通の話題を持ってほしいと言う意味で、複数の雑誌が合わさって1つになってもいいんじゃないか?と思ったりもします。
“アベンジャーズ”的にね(笑)」
今のジャンプを読むと「『最近の漫画よくわからん』とか“じじい”みたいなことを思ってしまうことがある」と笑う。
元の投稿: ワンピース.Log 考察/伏線/謎/予想/感想/まとめ
尾田先生「ONE PIECEを終わらせるのは僕の自由」(ジャンプ展公式図録vol.3)