5月22日に愛知県豊橋市でフィリピンから入国した外国籍の男性が狂犬病を発症していることが確認されました。1957年(昭和32年)以降、日本国内での感染者の発病はなく、2006年(平成18年)にも発症が確認されていますが、こちらもフィリピンから帰国後に発症したケースでした。
今回、発症した男性は2019年9月ごろ、フィリピン滞在中に左足首を噛まれたようです。2020年5月11日に発症し、豊橋市内の医療機関を受診。水を怖がるなどの症状から、19日に検体を採取したのちに、国立感染症研究所にて22日に狂犬病ウイルスの遺伝子が検出されたのです。
通常、人から人に感染することはないので感染拡大の心配はないのですが、発症すれば100%死に至るので狂犬病に対する正しい知識を学ぶ必要があります。「犬」という字が入っているので、「犬に咬まれなければ大丈夫」と思っている人が多いのですが、狂犬病はすべての哺乳類に感染します。ですので、海外の旅行先で多い「動物とのふれあい」にも注意が必要なのです。
現在は新型コロナウイルスの影響で、世界中の人々の海外旅行や海外出張等が禁止あるいは自粛となっていますが、いずれ解除される時期が来ることでしょう。そのときには、渡航先の狂犬病の発生状況を確認することをオススメします。
万が一、海外で犬やそのほかの動物に噛まれてしまったときには、すぐに病院に行き、ワクチン接種を受けることが大切です。日本では「近年、国内で犬やそのほかの動物に噛まれたことが要因での狂犬病患者が発生していない」ということから、噛まれてもワクチン接種をする処置はしていないそうです。咬まれたときは病院で処置を相談することになるでしょう。
では、日本の犬やそのほかの動物に噛まれても絶対に大丈夫なのか?というと、懸念があります。海外からの動物の輸入には検疫がありますが、それは犬、猫、きつね、アライグマなどを対象にしています。それらの動物が狂犬病発生国から来た場合は厳しくチェックされます。それに対し、ハムスターなどの小動物は届け出だけで済まされます。海外ではペット用のハムスターが狂犬病を発症した例もあり、日本での発症もゼロではないと考えられます。
また、海外の港では、船と岸壁とをつなぐロープをつたってリスなどの小動物が上り下りしているのを見かけます。航行中の船内でも小動物を見かけることがあると、乗務員から聞いたことがあります。もし、その小動物が狂犬病に感染したまま日本に上陸したらどうなるのか心配なります。
近年、犬に対する狂犬病予防接種は必要ないという専門家もいますし、実際に接種していない飼い主さんもいるようです。しかし、ペトハピでは、上記の理由から「可能性は少ないけれど、ゼロではない」と考えています。ですので、看板犬の2頭は今年もしっかり狂犬病予防接種を済ませました。
狂犬病については、【犬飼いTIPS】狂犬病予防接種は、なぜ必要なのか で詳しく説明しています。ぜひチェックしてみてください。
【犬飼いTIPS】日本で14年ぶりに狂犬病感染者が!!