4ドアセダンに流麗なスタイリングを与えた
デザインというのは難しいもので、流行だけでなく、国民性が反映されるものだし、クルマの場合は機能による制約もあるので、限られた中でどうまとめるのかもデザイナーの力量だったりする。このデザイン、日本人にとっては苦手とされる分野で、逆に芸術の国、イタリア人は長けていて、多くのカロッツェリア(自動車デザイン工房)が存在するのはご存知の通りだ。
日本車の場合、デザイン以前の問題で、乗用車で見ると産業として勃興してきたのが実質終戦後であり、模索の時代が続いたのも事実だ。そこで採られたのが、海外カロッツェリアへの発注。現在では、デザイナーのグローバル化が進み、イタリアのカロッツェリアは無くなっているし、活動しているところもイタリア人は少なくなっているが、その昔はありがたい存在だった。精神的にありがたいだけでなく、今振り返ってみると、ラインの取り方など、新鮮だしアカ抜けているデザインはやはり多い。