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【犬飼いTIPS】マダニに要注意! これからの季節の飼い主と愛犬のマダニ対策

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先日、静岡県内で今年5例目となるマダニが媒介する感染症である日本紅斑熱への感染者が確認されました。男性はマダニに咬まれた自覚はありませんでしたが、自宅の庭で作業をしていたことから、マダニに咬まれたことで感染したと推定されるそうです。数日間入院し、快方に向かっているとのことです。

マダニは、森林や草地などに多く生息しています。春から秋は、飼い主も犬も野外で活動する機会が多くなる季節です。マダニに咬まれて命を落とすことのないよう、細心の注意をする必要があります。今回はマダニとマダニが媒介する疾患についてのお話です。

マダニの生態とライフサイクル

日本国内に生息するマダニは、卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニ→産卵の生活環をとる「3宿主性」のマダニです。幼ダニ・若ダニ・成ダニの各ステージごとに吸血する動物を替えていくため、3宿主性と呼ばれています。

マダニは宿主に数日間寄生し、その間に吸血を行います。雌のマダニは吸血しながら大きく成長することができます。飽血時(これ以上吸血できない小豆粒状の状態=約1㎖を吸血)には、吸血前と比べて5倍の大きさ、重さは100倍にも達します。

しかし、雄のマダニはわずかに膨れる程度です。マダニは飽血すると自然に宿主動物から落下離脱し、次のステージへと脱皮する、または産卵をすることになります。

マダニの寄生から吸血のしくみ

マダニは動物に寄生すると顎体部の鋏角で宿主の皮膚を切り裂き、口下片を皮膚に刺して吸血を始めます。マダニの唾液には接着剤の成分(セメント物質)が含まれていて、口器をしっかりと宿主に固定します。

吸血中は血液を体内に取り込んで濃縮し、水分を唾液として宿主に吐き戻します。この唾液には抗凝固物質、抗炎症物質、免疫抑制物質が含まれているため、宿主である動物は吸血されても痛みやかゆみを感じることがなく、数日後に背中などに寄生を見つけることもあります。

マダニの活動時期は?

多くのマダニは春から秋にかけて吸血活動をし、寒さが厳しい冬は落葉の下で休眠しています。このため、春先は休眠から覚めたマダニが餌である動物の血液を求めて活動を始めます。

しかし、マダニも暑さには弱く、猛暑の夏場は日陰に身を潜めて人や動物がやってくるのを待っています。次に活動を活発化するのは、夏の終わりから秋にかけて。人や犬や猫にとって野外で活動しやすい春と秋が、マダニにとっても「活発な吸血の季節」なのです。

マダニ媒介性疾患への感染リスク

マダニが寄生することで深刻なのが、マダニ媒介性病原体の感染リスクです。前述したように、マダニは吸血する際に唾液を宿主体内に放出しますが、マダニの持つ病原体も一緒に宿主動物に注入されてしまいます。

実際にマダニが媒介する病原体は非常に多く、犬と猫に対してはバベシア症、ライム病、エールリヒア症、ハートウォーム病などが知られています。

バベシア症

マダニ媒介性疾患のうち、もっとも重要なものの1つがバベシア症です。この疾患はバベシア原虫が赤血球に寄生することにより発症するもので、体内に入った原虫が次々と赤血球を破壊していきます。それによって溶血性貧血と発熱が起こり、食欲不振や黄疸、衰弱などの症状が現れます。

治療が遅れると死に至ることもあります。犬に寄生する原虫はバベシア・ギブソニとバベシア・カニスの2種類です。日本においてはバベシア・ギブソニの感染がほとんどで、バベシア・カニスの感染は限られた地域になります。

バベシア原虫の感染は、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、クリイロコイタマダニなどが媒介します。原虫が犬の体内に移るのに36~48時間必要とされているので、付着したマダニを速やかに取り除く、または吸血後すぐにマダニを死滅させることで、感染の可能性を非常に低くすることができます。

人間にも感染する怖いマダニの感染症

日本には人に対して病原性を示すマダニ媒介性疾患もあります。日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎などによる患者発生が報告されています。

【日本紅斑熱】
リケッチアジャポニカ(Rickettsia japonica)と呼ばれる細菌による感染症のことを指します。マダニに刺されることから人に病原体がうつります。病原体を持ったマダニに咬まれることで感染します。刺された部位の刺し口と発熱、発疹が大きな症状です。西日本を中心に毎年100名程度の患者が発生しており、ときに死亡例が報告されている疾患です。最近では東日本にも発生が広がってきています。

【ライム病】
ライム病とは、ボレリア(代表的にはBorrelia burgdorferi)と呼ばれる細菌を原因菌とする感染症のことを指します。ボレリアは、ダニの一種であるシュルツェ・マダニ(Ixodes persulcatus)に刺されることによって人に病原体がうつります。ライム病の症状は、皮膚症状を伴うインフルエンザのような症状から始まります。病状は数カ月から数年をかけて慢性的に進行し、神経や心臓、関節など、全身に合併症が生じることもあります。北海道を中心として、中部以北においてヒトの症例が報告されています。犬が感染して発熱、関節炎などを示した例も報告されています。

【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)】
最近とくに注目されているのがSFTSです。国内の患者が初めて確認されたのは2013年で、その後に遺伝子検査(RT-PCR法)による診断体制が全国的に整備されました。人の症状として、38℃以上の発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障害、リンパ節腫脹、皮下出血などが見られます。SFTSに対する治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。特に最近は死亡例も増えているため、注意喚起がされています。

感染した犬や猫からの人感染

SFTSの感染経路もマダニの刺咬と考えられていますが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されています。

2017年以降、日本において犬や猫などのペットがSFTSを発症した事例の報告が相次ぎ、それらの動物から人が感染する事例も報告されるなど、ペットに由来する新たな人獣共通感染症という側面からも早急な対応が求められています。

マダニ媒介性感染症を予防するには

マダニの確認と除去

マダニの付着を確認することが寄生を防ぐ方法ですが、吸血前のマダニや幼若なマダニを見つけることは、肉眼ではとても難しい大きさです。愛犬が長毛種の場合には、毛の中にマダニが潜り込んだ可能性もあり、そうなれば探し出すことは困難です。

散歩など外から帰ってきた際には、早期に付着の有無を確認し、ブラシなどでマダニを払い落しましょう。体の表面だけでなく、耳介内側、股間、指の間など細かい部分もよく観察しましょう。

マダニがある程度吸血を行い、口下片が皮膚にしっかり挿入された段階では、除去するのは困難です。マダニを除去しようと胴体部をつまんで引っ張ると、マダニが持つ病原体を愛犬の体内へ押し出してしまうことになります。マダニがちぎれて顎体部が皮膚内に残留し、皮膚炎を継発するリスクもあります。

こうした場合は、先の細いピンセットを用いてマダニの口部を挟んで引き抜く、あるいは皮膚に小切開を加えてマダニを除去することが必要になりますので、無理せず動物病院を受診しましょう。

マダニの寄生予防

マダニの寄生を予防するには、マダニの活動が活発な時期に、マダニが生息していそうな場所に行かないことがもっとも有効ですが、なかなかそれは難しいでしょう。

持続性のノミ・マダニ駆除薬を使用して、マダニの寄生予防をすることが大切です。そのうえで、散歩に出かけるときなど虫よけスプレーを散布すると更に効果的です。

自然豊かな場所に行く際には、飼い主は肌の露出を避けた服装をし、愛犬にも冷感素材の服などを着用させるとよいでしょう。「別に山や川へは行かないから」と予防をしない飼い主がいますが、都市部の公園、歩道の植え込みなどでもマダニに寄生する危険があります。

マダニの寄生を予防することは、大切な愛犬の健康管理のために欠かせないことなのです。愛犬を守ることは、飼い主やその家族を守ることにもなります。そのためには、年間を通じた定期的なマダニ対策をすることが重要なのです。

まとめ

近年、マダニ媒介感染症で亡くなる人や犬が増えています。すべてのマダニが病原体を持つわけではありませんが、命を落とさないためには、マダニについての知識を身につけ、正しい対策を行い、咬まれることがないようにする必要があります。

人から人、犬や猫などのペットから人への感染も確認されているため、誰もが感染するリスクがあるのです。予防をしないという選択はありません。愛犬を守り、飼い主自身とその家族を守るためにも、定期的なマダニ対策をしっかりと行いましょう。

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