カロッツェリア・ヴィニャーレがスタイリングを担当
2023年9月30日に静岡県熱海市の長浜海浜公園 芝生広場で開催された、ACJ熱海HISTORICA(ヒストリカ)G.P.meeting2023(オートモビル・クラブ・ジャパンが主催)。今回は、イベント運営メンバーでもある金子さんの乗るダイハツ「コンパーノ スパイダー」を紹介しよう。
10数年ぶりに復帰した趣味車がコンパーノ スパイダーだった
国産車の歴史を辿ると、クルマのデザインを海外のカロッツェリアに委託したことで日本車離れしたスタイルを持つことになったモデルが複数存在していることに気づく。1963年に発売されたダイハツ コンパーノも、イタリアのカロッツェリア・ヴィニャーレがスタイリングを担当。当時の国産セダンとしては美しいボディがクルマ好きの間で注目され、スポーティなファミリーカーとして人気を博した。
モデルバリエーションを拡充する目的で1965年に追加設定されたのがコンパーノ スパイダーで、今回の熱海ヒストリカに参加していたのは、前期型の最終モデルとなる1967年式であった。
オーナーの金子明夫さん(68歳)は、かつて1986年式のアルファ ロメオ スパイダーに乗っていたそうで、コンパーノ スパイダーを購入したのは15年前のことなのだという。現在の累計走行距離は7万9000kmで、日常の足として使っているそうだ。
「もうずいぶん昔のことになりますが、アルファ ロメオのスパイダー ヴェローチェに乗っていました。シリーズ3です。ウェーバーキャブ仕様に乗りたくて、わざわざイタリアから入れたのですが、いろいろあって乗らなくなってしまいました。それでスパイダー ヴェローチェを手放してから10年以上にわたって趣味性が強いクルマには乗らずにいたのですが、以前から気になっていたコンパーノ スパイダーの売り物があったので買うことにしました」
前期型の独立グリルには旧いイタリア車の面影
金子さんによると、後期型のコンパーノ スパイダーに乗っている人が周りにいたのでその存在を知っていたが、前期型のことが気になってチェックしてみたらそっちのほうが自分の好みだと思ったので1967年式をチョイスしたそうだ。
「前期型コンパーノ スパイダーの独立グリルを見て、これはイイと思いました。前期型は別モノです。旧いイタリア車の面影があるところが好きで選びました。イタリアのコーチビルダーでデザイナーでもあったアルフレード・ヴィニャーレによるデザインであり、ダイハツが乗用車市場に進出する第1作目のクルマとしてヴィニャーレにオーダーするなど、意気込みが違った点がこだわりのポイントです。以前、青山通りでディーノのオーナーさんに写真を撮らせてほしいと言われたことが一番思い出深いエピソードですね」
オートモビル・クラブ・ジャパンの古参メンバーで、イベントのスムーズな運営のために尽力してきた金子さんは、これからも前期型コンパーノ スパイダーのカッコよさをさまざまなシーンで披露していくことだろう。
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ダイハツ「コンパーノ スパイダー」のイタリアン・デザインに惚れた! 前期型を日常の足として乗っています