【編集興記】「トイレの日」に考えたいペットのトイレ事情

11月10日は「トイレの日」です。一般社団法人日本トイレ協会が1986年（昭和61年）に制定しました。「いい（11）ト（10）イレ」と読む語呂合わせであることが由来となっています。

同協会では、毎年11月に「全国トイレシンポジウム」を開催し、公衆トイレを対象とした「JTAトイレ賞」を発表しています。この賞は、｢みんながいつでもどこでも気持ちよく使える｣トイレ環境をつくり、それを持続できる社会をつくることを目標に、顕著な活動の実践や提案を行っている方を表彰するものです。

このトイレ賞は、対象は人間の使うトイレですが、もしかしたら今後、ペットのトイレの部門もできるかもしれません。作品部門に画期的なトイレや素材がノミネートされたり、社会的活動部門にペットのトイレについての普及・啓発活動がノミネートされたり。ペットも家族として生活している現代、なんだか期待が広がりますね。

日本はトイレ技術において進んでいるといえます。機能的で快適さを追求したデザイン、そして先進性は国際的にも注目されています。例えば日本では「ウォシュレット」などの温水洗浄便座が一般的です。この高機能トイレは、温水洗浄や暖房機能、乾燥機能、消臭機能などが組み合わされています。また、音を消すための音姫（音を流す機能）や、LEDライトを備えたり、スマートフォンと連携したりするトイレまであります。

そういえば、映画『テルマエ・ロマエ』では、阿部寛さん扮する古代ローマの浴場設計技師ルシウスが、ウォシュレットに感動するシーンが描かれていました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

さて、トイレに関する雑学を2つ。まず、なぜトイレの便器は白いのでしょうか。これには諸説ありますが、まず第一に、白は清潔感があること。明るくて広がり感があるため、トイレ空間をより広く感じさせてくれるからというものです。

トイレメーカーのアンケート調査でも、白がどんな家のトイレでも合いやすいという結果が出たようです。確かに白は一般的にシンプルで無難な色なので、洋風でも和風でも合いそうです。

また、排泄物の色をみて健康状態をチェックできるということもあり、医療機関や介護施設などでは白に統一されているようです。確かに、病院で使うものには白が多いですね。

ただ、昨今はブルーやピンクなどのパステル調はブラックやグレーなどモノトーンの便器も発売されているようです。カラーについては、ペットのトイレのほうが進んでいるようです。

もうひとつは、猫のトイレについての雑学です。猫のトイレが、いつ世の中に登場しのかはわかっていません。ただし、市販されたのは20世紀初頭というのが一般的です。初期の猫トイレは単純な箱状のもので、猫が排泄する際にそのなかに入るような形状でした。

1966年にアメリカのエドワード・ロウが発明した猫砂が、猫トイレの進化に大きな影響を与えたといわれています。

これは固まる性質のある砂で、猫が排泄した後に固まり、掃除がしやすくなりました。それまでは、灰やおがくずを使っていたようです。

その後、猫用トイレは素材やデザイン、機能の向上が進み、現代では自動で砂を掃除するタイプや臭いを抑える機能を備えたものなど、さまざまな種類の猫トイレが市販されています。

猫のトイレや猫砂には、いろいろな製品が発売されていて最適解がありません。猫の好み、飼い主の好みで選ばれているようです。ただし、猫の排泄の問題は健康面に問題があることもあります。

猫はとてもキレイ好きで、トイレの環境に敏感な生き物です。トイレが汚れていたり、大きさが気に入らなかったり、トイレの砂が気に入らなかったり、ほかの猫が占領していたりするとトイレを使わないことがあります。

また、トイレの置き場所が騒がしいなど落ち着かない環境の場合は、ストレスからトイレを使わないこともあります。そうなるとトイレ以外の場所で粗相をしたり、トイレを我慢して病気になってしまうことも。愛猫が好むトイレ環境を準備することはとても大切なことなのです。

トイレを使わない、トイレ以外で排泄してしまう、トイレを寝床にしてしまうなど、トイレに関する問題は多く存在します。ちょっとした変化を見逃さず、ペットの健康を守ってあげましょう。

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