日産ラシーンをベースにオーテックが架装を担当
日産車をベースとしたカスタマイズカーや福祉車両、特装車を手掛けるスペシャリスト集団であるオーテックジャパン。現在はNISMOロードカーやAUTECHブランドのモデルも多く手掛けており、日産ファンであれば知る人ぞ知るブランドだ。
30台限定のオーテック30周年記念車
そんなオーテックは会社の節目のタイミングでスペシャライズドモデルを作成してきている。その代表作とも言えるのが、オーテック創立30周年となった2016年にリリースされた「マーチボレロA30」だろう。
オーテックが手掛ける「マーチボレロ」をベースとしながらも、専用エンジン&ミッションや大きく張り出したフェンダーを備えたもので、オーテックが誇る匠の手によって30台という台数限定で販売されたものだ。
ただ、これ以前にもオーテックの創立周年を記念して作られたモデルは存在している。それが今回ご紹介する「A10」である。
10周年記念車のベース車両はラシーンだった
A-10は車名の通り、オーテック創立10周年となる1996年に作られたモデルであり、試作車という扱いのため市販されることはなかった。 往年のイタリア製ホットセダンを思わせる外観をまとっているA10だが、ベースとなったのは今でいうクロスオーバーSUVの走りでもあるラシーンだ。当時のサニーやパルサーのコンポーネンツを使って誕生したパイクカーであるラシーンを、よりパイク(尖った)なモデルに仕立ててしまったというワケだ。 外観を見る限りラシーンの面影はほとんどなく、唯一ドアにベース車を感じさせるが、フロントピラーはラシーンよりも立てられており、フロントドアにはダットサントラックから流用した三角窓がクラシカルさを強調している。 そしてハッチバックモデルのラシーンに対して追加されたトランクは手作業で作られたもの。これこそ少量生産の特装車などを手掛けるオーテックが得意とするところなのだ。
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製作期間わずか半年! 「オーテック」有志が製作した「幻のA-10」誕生秘話