このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。
2024年初日早々に日本を揺るがす2つの悲劇が発生しました。ひとつは能登半島地震。そして、羽田空港で発生した航空機衝突事故です。これらの出来事は、ペットと暮らす私たちに、ペットとの関係を深く考えさせることになりました。
能登半島地震では、ペット同伴避難の必要性とその課題がクローズアップされました。国が推奨する同行避難に対して、受皿となる自治体の同伴避難の対応が進んでいないという現実もあり、飼い主としてどう準備すべきなのかも考えさせられました。
今回の航空機衝突事故は、能登半島地震の被災地支援に向かう海上保安庁の航空機と日本航空機が衝突し、海上保安庁の職員5名が亡くなりました。
日航機の乗客と乗務員は無事でしたが、貨物室に預けられたペット2匹が救出されずに亡くなったことが明らかになり、芸能人やコメンテーター、政治家、料理人などが、次々にSNSなどに投稿するなど、ペットを飛行機に乗せることに対する議論が加熱しました。
SNSではいまだに賛否両論いろいろな意見が飛び交っていますが、それらを見るにつけ私が思うことは、ペットを飼っている人と、飼っていない人が理解しあうのは難しいということです。それは、能登半島地震におけるペットの同伴避難についても同じことがいえます。
ペットが好きな人もいれば、嫌いな人もいる。さらにアレルギーを持つ人もいます。ですので、大部分の飼い主は、公共交通機関や公共施設を利用する際にはほかの人に配慮します。もちろん、配慮が足りない飼い主もいますが……。
この記事は、ペット同伴搭乗のリスクや飼い主として知るべきことだけでなく、ペット救助のプロトコルや体制の整備が求められるという新しい視点を提供しています。
今回の議論を大きく分けると、ペットを飛行機に乗せることの是非と、緊急脱出時にはほかの手荷物と同様に持ってはいけないことへの是非になるかと思います。
ペットを飛行機に乗せることの是非については、動物行動学から感情論までいろいろな意見があるようです。ペットにとっては、たとえ飼い主と一緒にキャビンにいられても、ふだんと違う環境はストレスでしかありません。言うまでもなく、ペットは私たち以上に感覚が敏感なのです。
移動手段が飛行機に限定される場合は仕方ないと思いますが、それ以外にも移動手段があるならば、検討すべきでしょう。航空機だけでなく船舶も、脱出の際にはペットを伴うことはできません。しかし、電車や自動車であれば、緊急時であっても自分で対応できる選択肢は多くあります。
緊急脱出時にはほかの手荷物と同様に持ってはいけないことへの是非については、すぐに変更できるものではありません。国際民間航空機関(ICAO)による国際ルールに則って運用されているので、航空会社が独自のルールを設定するのは難しいでしょう。
しかし、万が一のことが起こったときに、「なにもしない」のと「できることがあれば対応する」というのでは大きな違いがあります。現状では「なにもしない」、つまり「手荷物として機内に置いてきてください」というものです。
この記事でも言及しているように、欧米ではペット救助のノウハウがあり、ペット用の酸素マスクなどの救急セットも常備、動物救助専門チームも設置されているとあります。日本で導入できないことはありません。
SNSでは一般の火災と航空機火災は別物という指摘をしている意見もありますが、そんなことは百も承知であって、万が一のときに何ができるのかを考えることが重要だということです。
人命が優先されることに異論はありません。しかし、ペットが家族である現状において、ペット同伴サービスを提供するのであれば、人命救助のあとに命あるペットを救うようなペット救助のプロトコルがあってもよいと思うのです。
飼い主として、ペットを飛行機に乗せる際のリスクを考えることは、家族であるペットの生命を守るために重要なことです。同時に航空会社においても、できることを考えてもらいたいと思うのです。
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元CAが指摘、ペットと同伴搭乗「非常時の問題点」